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all リレー小説会場(ルール説明と冒頭) - ミチル - 2019/03/09(Sat) 00:10:43 [No.30]
1話 - 頭文字D - 2019/03/16(Sat) 08:55:33 [No.31]
2話 - 皇帝 - 2019/03/18(Mon) 18:29:55 [No.32]
3話 - ほるこ - 2019/03/19(Tue) 20:48:09 [No.33]
4話 - 伊東です - 2019/03/19(Tue) 22:25:50 [No.34]
5話 - ほるこ - 2019/03/19(Tue) 23:33:15 [No.35]
6話 - 皇帝 - 2019/03/20(Wed) 04:13:08 [No.36]
7話 - ほるこ - 2019/03/20(Wed) 21:36:33 [No.37]
8話 - 伊東だよ - 2019/03/21(Thu) 01:07:08 [No.38]
9話 - 頭文字D - 2019/03/21(Thu) 09:09:38 [No.39]
10話 - ほるこ - 2019/03/21(Thu) 18:36:17 [No.40]
11話 - 皇帝 - 2019/03/21(Thu) 21:22:37 [No.42]
11話 - 伊東だっけ? - 2019/03/21(Thu) 20:52:25 [No.41]
12話 - ほるこ - 2019/03/21(Thu) 23:01:50 [No.43]
13話 - 皇帝 - 2019/03/23(Sat) 07:59:46 [No.44]


11話 (No.40 への返信) - 皇帝

 この世のどこかにあると、まことしやかに噂されている魔界。それは魔法少女ミッチルンの故郷でもあった。
 赤黒く澱んだ空気と、灰色の空が黒い雲を浮かべる。
 大地は灰と塵芥に覆われ、生命の息吹を感じることは無い。
 そんな魔界の最奥に、どっしりと構える魔王の城があった。
 玉座に座るのは、巨大なツノを持つ魔の王。
 今まさに三百年にもわたるうたたねから目覚めたところであった。

「なんだと、ミッチルンがうなぎパイを集めている!? どうしてそれを早く言わなかったんだ!!」

 怒声が城の窓を揺らし、場内に雷を落とすと、報告に来ていた悪魔は「ひんっ」と角の生えた頭を押さえながら翼を畳む。

「言いましたよぉ……四百年くらい前にですけど」

 若干涙目になりながら魔王を仰ぐ魔物は、淫魔と呼ばれるに相応しい肉体を持っていた。
 扇情的なボディラインを惜しげもなく曝け出し、ボディペイントのような悪魔の衣が彼女の局部を強調する。
 黒光りする艶かしい尻尾が、肉付きの良い腰周りを流れる。

「まあ良い、それで、いくつ集まったのだ?」
「まだ一つみたいですぅ」
「一つ!? 四百年もかけてたったの一つだとッ!?」
「ひぃんっ」

 城の周囲にいくつもの落雷を発生させながら、魔王は立ち上がる。
 たゆんと揺れる、二つの球体。目の前の淫魔をも上回るその女性らしい身体つきは、まさに魔の王であるにふさわしかった。
 野生的な犬歯が覗く口をにわかにつり上げ、紫色のネイルをぐっと握り込む。
 血のように赤い瞳は、窓の外を見つめていた。

「ミッチルンめ何をやっているんだ……いや、奴がまだ手に入れていないというのはむしろ好都合か」
「魔王様?」
「出るぞ。奴より早く、うなぎパイをこの手におさめるのだ!」

 バッと手を横に投げると、淫魔はにこやかに手を振って返す。

「あ、はーい。いってらっしゃいませですぅ」
「クックック、世界に七つ存在するという伝説のうなぎパイか……さぞかし美味なのであろう。我が腹を満たすにはちょうど良いわ」

 スベスベの腹をさすりながら、ぺろりと唇を舐めとる。
 魔王は黒き翼を広げて、魔王城の天井を突き破り、空へと飛び立った。

「魔王様ぁ、ミッチルンはそっちじゃなくて、地獄にいるですよぉ」

 淫魔が口に手を添えて告げると。
 空から小さな声で「わかっているとも!」と強がりが聞こえて、黒い影は方向を変えた。


[No.42] 2019/03/21(Thu) 21:22:37

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