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No.7へ返信
潜入捜査のアレやコレ
- たきゆき -
2019/02/16(Sat) 02:58:40
[No.4]
└
Re: 潜入捜査のアレやコレ
- たきゆき -
2019/02/16(Sat) 02:59:35
[No.5]
└
Re: 潜入捜査のアレやコレ
- たきゆき -
2019/02/16(Sat) 03:00:13
[No.6]
└
Re: 潜入捜査のアレやコレ
- たきゆき -
2019/02/16(Sat) 03:00:52
[No.7]
└
Re: 潜入捜査のアレやコレ※流血表現有
- たきゆき -
2019/04/30(Tue) 01:27:56
[No.13]
└
Re: 潜入アレやコレ6
- たきゆき -
2019/05/15(Wed) 01:58:17
[No.14]
└
後日談のような感じ
- たきゆき -
2019/07/26(Fri) 01:37:24
[No.23]
Re: 潜入捜査のアレやコレ
(No.6 への返信) - たきゆき
ごめん、託す。
そう伝えて、と言って部下に渡された中和剤。
それが、手元に届いた時には、山賊の頭が貴族に反抗しようとして薬をラ―ジャンに打ちこんで暴走させた後だった。
「くそが」
思わず罵声が零れる。
部下は救援を呼びに街へ戻した。
中和剤も打ちこんだ。
あとは。
「薬が効くまでに、タイムラグがある、ちゅう、ことやったな」
自分の獲物であるライトボウガンを抱え、距離を取りながら間合いを図る。
その目線の先で、暴走するラ―ジャンの咆哮が弾けた。
「っ!!」
ぐらりと視界が揺れる。
「しまっ、」
「ってぁああああ!!!」
思わずもれた言葉に、威勢の良い叫びが被った。
ひらりと翻ったのは、見覚えのある。
否、ありすぎる山吹色の腰布。
それはハンターの装備としては有名すぎるユクモ装備で。
元団長であり、幼馴染でもある、中和剤の作成者の彼女の定番装備だった。
叫びと共に振り下ろされたハンマーは、飛びかかろうと接近してきていたラ―ジャンを強かに打ちつけた。
想定外からの攻撃にラ―ジャンが距離を取る。
「レオくん! 大丈夫!?」
「ユキ! お前どうして!」
「どうしても何も」
油断なくハンマーを構え、目線をラ―ジャンに固定したまま、応える。
「むしろ何で来ないって思うの」
「託す、て」
「私じゃ打ち込めないし、ハンマーやら諸々準備するのも時間が必要じゃない」
会話しながら、Leoninoもまた体勢を整え、その横に並ぶ。
「疲れとんのやろ。黙って俺に任せぃ」
「お断りですー。自分のしでかしたことの後始末は自分でやるわよ」
「あれは、お前が悪いんや……あーもう、このアホウ」
不敵に笑っているが、その目元の隈は消えていない。
身体も幾分か細くなっているようにも見える。
それを心配して、制止しようとしかけ、瞳に映ったぎらりとした光に諦める。
言い出したら聞かないこの団長に、どれほど自分が振り回されてきたか。
経験則が止めることは無理だと語っている。
だから、苛立たしげに舌打ちすると、その気配を受けた滝雪が小さく笑った。
「それに」
声がわずかに弾んだのに気付いて、眉根を寄せる。
「せっかく、久しぶりにレオくんと狩りに行けるチャンスだったしね!」
笑う、明るい声に。
目を瞬く。
こんなタイミングで何を行ってるんだ、とか、そんな呑気なもんか、という言葉よりも先に、こいつらしいと思ってしまったから。
「ハハ! そーやな」
自分の口元にも笑みが浮かんだ。
ほんとうに、笑ってる場合なんかじゃない。
はずなんだが。
「暫く、ハンター業から離れとったんやろ、もう鈍っとるんやない?」
「おっとー? 元団長さんを馬鹿にしてるな?? お? やるか?」
じゃれ合う様に言葉を投げれば、軽快に返される。
それでも二人とも視線はじりじりとこちらを見て、円を描くように闊歩するモンスターを注視。
「やるんやったら、アイツが先な」
「もちろん。射線入ったらごーめんね」
「ハイハイ」
「中和剤打ち込んで今どれくらい?」
「10分は経ったな」
「なら、あと10分ねばれば、動きが鈍る。はず」
「お前の見立ては信用しとる」
「わー、そこまで信用されるのもこわ」
「なんでや」
昔、数日と空けず狩りに行っていた時の様に。
気負わず、委縮せず、自然体で。
どんな強いモンスターを前にしても取り乱さない。
言葉は、表情は、常に一定の安定感を持って。
それは積み重ねたルーティン。
「来るぞ!!」
「かかってらっしゃい!」
引き絞られた弦を放つように飛び出したラ―ジャを迎え打つため、二人は地を蹴った。
[No.7]
2019/02/16(Sat) 03:00:52
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> ごめん、託す。 > そう伝えて、と言って部下に渡された中和剤。 > それが、手元に届いた時には、山賊の頭が貴族に反抗しようとして薬をラ―ジャンに打ちこんで暴走させた後だった。 > 「くそが」 > 思わず罵声が零れる。 > 部下は救援を呼びに街へ戻した。 > 中和剤も打ちこんだ。 > あとは。 > 「薬が効くまでに、タイムラグがある、ちゅう、ことやったな」 > 自分の獲物であるライトボウガンを抱え、距離を取りながら間合いを図る。 > その目線の先で、暴走するラ―ジャンの咆哮が弾けた。 > 「っ!!」 > ぐらりと視界が揺れる。 > 「しまっ、」 > 「ってぁああああ!!!」 > 思わずもれた言葉に、威勢の良い叫びが被った。 > ひらりと翻ったのは、見覚えのある。 > 否、ありすぎる山吹色の腰布。 > それはハンターの装備としては有名すぎるユクモ装備で。 > 元団長であり、幼馴染でもある、中和剤の作成者の彼女の定番装備だった。 > 叫びと共に振り下ろされたハンマーは、飛びかかろうと接近してきていたラ―ジャンを強かに打ちつけた。 > 想定外からの攻撃にラ―ジャンが距離を取る。 > 「レオくん! 大丈夫!?」 > 「ユキ! お前どうして!」 > 「どうしても何も」 > 油断なくハンマーを構え、目線をラ―ジャンに固定したまま、応える。 > 「むしろ何で来ないって思うの」 > 「託す、て」 > 「私じゃ打ち込めないし、ハンマーやら諸々準備するのも時間が必要じゃない」 > 会話しながら、Leoninoもまた体勢を整え、その横に並ぶ。 > 「疲れとんのやろ。黙って俺に任せぃ」 > 「お断りですー。自分のしでかしたことの後始末は自分でやるわよ」 > 「あれは、お前が悪いんや……あーもう、このアホウ」 > 不敵に笑っているが、その目元の隈は消えていない。 > 身体も幾分か細くなっているようにも見える。 > それを心配して、制止しようとしかけ、瞳に映ったぎらりとした光に諦める。 > 言い出したら聞かないこの団長に、どれほど自分が振り回されてきたか。 > 経験則が止めることは無理だと語っている。 > だから、苛立たしげに舌打ちすると、その気配を受けた滝雪が小さく笑った。 > 「それに」 > 声がわずかに弾んだのに気付いて、眉根を寄せる。 > 「せっかく、久しぶりにレオくんと狩りに行けるチャンスだったしね!」 > 笑う、明るい声に。 > 目を瞬く。 > こんなタイミングで何を行ってるんだ、とか、そんな呑気なもんか、という言葉よりも先に、こいつらしいと思ってしまったから。 > 「ハハ! そーやな」 > 自分の口元にも笑みが浮かんだ。 > ほんとうに、笑ってる場合なんかじゃない。 > はずなんだが。 > 「暫く、ハンター業から離れとったんやろ、もう鈍っとるんやない?」 > 「おっとー? 元団長さんを馬鹿にしてるな?? お? やるか?」 > じゃれ合う様に言葉を投げれば、軽快に返される。 > それでも二人とも視線はじりじりとこちらを見て、円を描くように闊歩するモンスターを注視。 > 「やるんやったら、アイツが先な」 > 「もちろん。射線入ったらごーめんね」 > 「ハイハイ」 > 「中和剤打ち込んで今どれくらい?」 > 「10分は経ったな」 > 「なら、あと10分ねばれば、動きが鈍る。はず」 > 「お前の見立ては信用しとる」 > 「わー、そこまで信用されるのもこわ」 > 「なんでや」 > 昔、数日と空けず狩りに行っていた時の様に。 > 気負わず、委縮せず、自然体で。 > どんな強いモンスターを前にしても取り乱さない。 > 言葉は、表情は、常に一定の安定感を持って。 > それは積み重ねたルーティン。 > 「来るぞ!!」 > 「かかってらっしゃい!」 > 引き絞られた弦を放つように飛び出したラ―ジャを迎え打つため、二人は地を蹴った。
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