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all 親から子へ・・・プロローグ - takaci - 2008/07/08(Tue) 21:39:01 [No.1453]
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親から子へ・・・16 - takaci - 2024/11/09(Sat) 21:43:00 [No.1650]
親から子へ・・・17〜Fin〜 - takaci - 2024/11/10(Sun) 10:34:28 [No.1651]


親から子へ・・・15 (No.1648 への返信) - takaci

朝の峠道。








平日の朝は真司と亜美が全開バトルを繰り広げる道。









だがここ数日はそんなバトルとは無縁である。









ヒューン・・・









前を走る亜美の電動バイクは余裕のクルージングを見せる。









ウォォォォン・・・








後ろを走る真司のエンジンバイクも回転数を抑えている。









その理由は真司のタンデムシートに跨るあや乃の存在だった。

















朝の学校の駐輪場。









タンデムで登校した真司とあや乃は笑顔を見せる。









「バイク通学って気持ちいいよね。こんな世界があるなんて知らなかったよ」









「夏はメッチャ暑くて冬はメッチャ寒いけど、今の季節は気持ちいいからオススメだよ」









「あたしもバイク欲しくなってきたけど、親の説得は出来ないから無理だね。あと真司くんのリアシートでも満足だから」








「俺とのタンデムで良ければいつでも歓迎だけど、でも夏と冬は覚悟した方が・・・あだっ!」








デレデレする真司の頭を亜美がヘルメットで殴った。









「真司がここまでいやらしい男だとは思わなかった。女の子と身体を密着させるのがそこまで嬉しいのかな?」









亜美は不機嫌な表情を崩さない。









「はあ?身体を密着?ひょっとしてタンデムを誤解してないか?」









「なによ?女の子が男の子の身体を後ろからぎゅっと掴むのがタンデムデートだよね?」










「そうされると上半身が上手く動かなくてぎこちない操縦になるから危ないんだよ。実際のタンデムではNGだからな」









「そうなの?じゃああや乃ちゃん両腕はどうしてるの?」









「両手を真司くんの肩の上に置いているだけだよ。最初は亜美ちゃんの言うとおりにぎゅっと掴んだけどね」









「肩に置くだけ?それで怖くないの?」









「最初は不安だったけど、それだけでも結構安定するよ。あと真司くんの運転は丁寧だから」









そう語るあや乃の笑顔には不安の色は見られない。









「ふうん、それが正しいタンデムなのね。勉強になったよ」









そんな会話をしているところに、











「おーい亜美!大変だあ朝から大事件勃発だあ!」









啓太がダッシュで亜美に駆け寄る。









「なによ啓太?朝っぱらから何の騒ぎ?」









「亜美、お前の写真が、ギニュウ特戦隊に・・・」









「な、なんですって!?どこにあるの!?」









「こっちだ!」











亜美は血相を変えて啓太と駆けて行った。









「ギニュー特戦隊って確かドラゴンボールだよね?それと亜美ちゃんが何の関係があるの?」









この学校に来て日が浅いあや乃は事態の深刻さが掴めていない。









「元ネタはそれだけど字が違う。俺たちも行こう。でも亜美がギニュウかよ・・・」









想定外の事態を受けて真司は朝から悩まされていた。



















跳栄学園偽乳特戦隊。









多くの男子生徒からは羨望の眼差しを受け、女子生徒からの非難が集中している謎のエリート集団。









『巨乳は正義。貧乳は愛でるもの。ただし偽乳、テメーはダメだ』









これが特戦隊のポリシーである。









男子生徒の目を惹くために自身の胸を盛っている女子生徒を糾弾するのが任務になっている。









ただ盛りの手段が寄せ上げブラなら努力として認められOK。パッドで盛る生徒のみ糾弾している。








特戦隊のメンバーは日々女子生徒の胸に目を光らせている。









そして複数の隊員の疑惑に上がった対象には、特戦隊の『偽乳スカウター』によりスキャンされる。









そのスキャン結果が年に数回、不定期で学園内の掲示板に貼り出される。









そして今朝は、









「いやあああああああ!!!!!!」








掲示板の前で亜美の叫び声がこだましていた。












さらに時は巡り昼休み。









「もう絶対に許さない。特戦隊のメンバー見つけてバイクで引きずり回してやる・・・」









亜美の怒りは収まらない。









「いや偽乳をした亜美が悪い」









「そうだよ亜美、男にとって偽乳は大罪だよ」









そんな亜美に真司と啓太は非難の言葉を放つ。









「ふたりともなによ。少しパッドで盛った程度なのにそれがダメなの?」









「いやあれは少しじゃないだろ?」









「そうだよな。AがCになってたからなあ」








性格は男勝りだが、小柄でかわいい亜美は男子生徒からの人気が高い。









ただ胸は貧相で、絶壁やまな板という言葉がピッタリ当てはまる。









「そもそもなんで盛ったりしたんだよ?亜美は自身の大平原が誇りとか言ってただろ?」









「大平原・・・」









真司の言葉が亜美の胸を抉る。









「そうそう亜美は平和なスットン共和国民。盛るのは亜美らしくない」









「スットン共和国・・・」









さらに啓太の言葉で抉られた。









「こ、この学校って変わってるよね。普通ならこんなことが起きたらセクハラ被害で大ブーイングだよ」









ここでずっと黙っていたあや乃がようやく自分の意見を口にした。











「確かにそれが普通だろうけど、この学校は異様に『盛り』に厳しいんだよ」









「なにかきっかけでもあったの?」









「きっかけかあ。噂ではかぐや様で怒ったって聞いたことがあるなあ」









「かぐや様?それってかぐや様は告らせたいの四宮かぐや?」







「そう。原作では貧乳キャラだったけどアニメでは盛ったんだよ」









「具体的にはアニメ全般じゃなくてアニメ化で商品化したフィギュアで盛った。原作は明らかにAなのに商品化されたフィギュアはBくらいあったらしい」









「それを四宮財閥の力で盛ったとか、報道を捻じ曲げたとか、当時は陰口叩かれたって聞いたよ」










「ふーん、ふたりともやけに詳しいんだね・・・」








あや乃は真司と啓太に冷ややかな視線を送るが、









「いやこの学校の男子生徒なら一般常識だから」









「そうそう、男の目を惑わす盛りは重罪。亜美も反省しろよな」









真司も啓太も動じなかった。









「でもかぐや様って結構古い作品だよね。いまだにそんなことを根に持ってるってことは、特戦隊には先生も絡んでいるのかな?」









「あーさすがあや乃ちゃん鋭い。その噂も濃厚だよ」









「そもそも元ネタのドラゴンボールが古い作品だからなあ。当時は大人気らしかったけど俺たちが生まれる前に連載終わってる作品だろ」









「特戦隊は謎が多いからなあ。噂では文字通りの偽乳特戦隊が登場した作品もあったと聞いたことがあるぞ?」









「それはさすがにデマじゃないかな?仮にそんな作品があったとしたら当時セクハラで訴えられてるよ」









真司、啓太、あや乃の3人は謎が多い特戦隊の話で盛り上がる。









その傍らで、








(特戦隊の連中はどんな手段を使っても絶対に見つけ出す!この屈辱を倍にして返してやるんだから!)









亜美は復讐の炎で燃えていた。


[No.1649] 2024/11/08(Fri) 21:07:24
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