 | はじめまして。 大学時代に4年間、木下先生に師事していました。 先日お通夜にも伺いました。
私が習っていたとき、先生は既に第一線を退かれていましたが 演奏家として「音」へのこだわり、オケで培った経験・実績に 対するプライドは第一級でした。
色々な事を教わりましたが、その中でも 「どんな楽器を使ってもその人の音しか出ない」 「楽器磨いていないで音を磨け」 という言葉が印象に残っています。木下先生らしいですね(笑)
先生の現役時代の音を直接聞きたかったな。。 また、先生の事を知る人が少なくなっているのが残念です。
私もまたフルートを再開しようと思っています。
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No.10507 - 2009/01/13(Tue) 22:28:45
| ☆ Re: 木下先生 / おっちゃん  | | |  | たけさん
掲示板に書き込み、ありがとうございます!
木下さんに師事しておられたのですね。
わたしはオーケストラプレイヤーとしての木下さんしか知らないのですが、どちらかと云えば口数の少ない木下さんがどんな風な教え方をなさったのか、興味深いところでもあります。
> 「どんな楽器を使ってもその人の音しか出ない」 > 「楽器磨いていないで音を磨け」
と云う言葉は、まさにその通りだと思います。 たしかに吹きやすい楽器、吹きにくい楽器と云うのはありますが、音色と云うのはあくまでも奏者に固有のもので、どんなに高価な楽器を吹いても、その人の音しか出ないのですよね。 新しい楽器を吹くと、以前とは違う音が出るような気がするのですが、しばらくして馴れてくると、すぐにその人の音に成ってしまいます。 あの古ぼけたセルマーが祭壇に飾られていましたが、あの楽器はおそらく関西交響楽団時代、いやもっと前から吹いておられたのだと思います。 と云う事は、50年近く使っておられたと云う事になりますよね。 一本のフルートをこれだけ長く吹き続けた人を、他には知りません。 木下さんが本領を発揮しておられたのは、やはり東響の時代だと思います。 あの頃、東響を聞きに来るお客さんの中には、木下さんのファンが少なく無かったと思います。 あの頃の東響の演奏は、CDに焼き直されたものが有るようで、木下さんの音も聞けるはずですが、あの音はやはりナマで聞いてこそ素晴らしかったのだと思っています。 それほど長い期間ではなかったのですが、誰よりも一番近い位置であの音に接っしていたわたしは、ほんとうに幸せ者だったと思っています。 たけさん、ぜひフルートを再開してくださいね。 笛のおっちゃん
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No.10508 - 2009/01/13(Tue) 23:08:10 |
| ☆ Re: 木下先生 / たけ | | |  | (結果的に)自身のコピーを作ってしまう指導者もいるなかで 木下先生は生徒を型にはめるような教え方ではありませんでした。 だから生徒達は吹き方も音色も皆それぞれでした。 受け身・依存心の強い生徒には合わなかったでしょうね。 生徒間でのレベルの差が大きかったと思います。 それと「まずは自分で考えて来い」という感じでした。 さらっていったときは、オケの昔話も交えてかなり饒舌になりますが さらっていかないとほとんど喋ってくれない。無視されてる感じ(笑) 木下先生には自由放任の厳しさがあったと思います。 ただ僕にはこういった指導法が合っていました。
あのセルマーは、おそらく23歳頃から使っていたと思います。 Gisオープンに改造したけれど、ハンダが剥がれてくるからと 当初はなんと絆創膏を貼っていたそうです。 その後、あまりにみっともないからエポキシ系接着剤でくっつけたら 剥がれなくなったと得意気に何度も言っていました。 あと、使っているタンポの材質にもこだわりがあるようで オーバーホールも自分でされていました。 とにかくあのボロボロのセルマーをとても大切にされてました。 僕も真似(?)して、誰に何と言われようとボロボロの木製ピッコロを 長年使い続けていました。それで仕事も貰えましたし、ピッコロの腕も 磨くことが出来ました。木下先生がセルマーを使い続けた気持ちが なんだか少し分かったような気がします。 しかし後にそのピッコロは本番中に突然死してしまいました(笑)
大学を卒業するとき、将来について「君は楽隊やりたいんだろうけど 音楽家なんて燕尾服を来た乞食だよ。」と諭された記憶があります。 僕に実力がなかったことに尽きるのですが。。
卒業後はずっと一般企業に勤めています。なかなか時間が取れないですが 趣味として楽しく吹けたらと思っています♪
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No.10509 - 2009/01/14(Wed) 23:38:23 |
| ☆ Re: 木下先生 / ひこ | | |  | こんばんは。 おっちゃんとたけさんの書き込みをよんで、 自分の不勉強をたなにあげて、中途半端に楽器を吹いていた頃のことが恥ずかしくなりました。 > 「どんな楽器を使ってもその人の音しか出ない」 > 「楽器磨いていないで音を磨け」 > と云う言葉は、まさにその通りだと思います。
そうなんですね。上手な人をうらやましく思うばかりで努力もせずにいたり、もしや楽器のせいではないかと考えたりしたこともありました。 また一からやり直してみたいと思います。
ひこ
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No.10510 - 2009/01/26(Mon) 23:12:38 |
| ☆ Re: 木下先生 / おっちゃん  | | |  | ひこさん、たけさん
楽器に関しては中々難しい面もありますね。 プロのミュージシャンでも、なにか新しい楽器を弾いて(吹いて)みると、なんとなく良い音が出るような、あるいは上手になったような気がして、ついつい取っ替えてしまう、と云う事がよく有ります。 楽器を替えた当初は、前とは感じが変わったように感じるのですが、しばらく使っている内に、またその人の音に戻ってしまうのです。 もちろん、その人に適した楽器、それぞれの好みなどもありますから、どんな楽器でもいい、と云うわけではないですが、どんな楽器を使う、と云うことよりは、その楽器を如何に使いこなすか、と云うほうが大切です。 ただ、自分の楽器を常に最上の状態に保っておかなければいけないのは当然ですよね、フルートだったら息が漏れていたり、キーの開きやバネの強さなどが不揃いだったりしたら、当然良い演奏は出来ないので、そんな意味でもメンテは大切です。 最近の楽器は、そんなにひどいものは無いので、調整さえしっかりしてあれば、そこそこ使えると思っています。 おっちゃん@現在、ツアーミュージシャン♪
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No.10511 - 2009/01/28(Wed) 11:36:43 |
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