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記事No.144に関するスレッドです

ハーグ条約(2) / 安 藤
ハーグ条約(2)

 今日、NHKはテレビニュースで、次のように報じていました。
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自民「ハーグ条約」承認と関連法案了承
2月19日 12時1分 K10056160411_1302191214_1302191227.mp4
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130219/k10015616041000.html

今週行われる日米首脳会談を前に、アメリカなどが早期加盟を求めている、国際結婚が破綻した際の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」について、自民党の合同部会は、条約の承認と関連法案を了承し、政府は来月にも条約の承認案と法案を国会に提出する見通しになりました。

「ハーグ条約」は、国際結婚が破綻した場合などに、相手の承認を得ずに子どもを国外に連れ出すことを認めず、承認を得ずに出国した場合には、子どもをそれまでにいた国に戻す手続きを定めています。
現在89か国が加盟しており、アメリカなどが、日本に対して早期加盟を求めています。
これについて、自民党の外交・法務合同部会が開かれ、出席者からは「条約加盟後、離婚した親は、子どもの親権などを巡って海外で裁判に臨むケースが増えるので、支援態勢をしっかり整えるべきだ」などといった意見も出されましたが、反対意見はなく、条約の承認と関連法案が了承されました。
条約の承認案と関連法案は、19日午後開かれる自民・公明両党の政策責任者による会談で了承される方向で、政府は、来月にも国会に提出する見通しになりました。
安倍総理大臣は、現地時間の22日にワシントンで行われるアメリカのオバマ大統領との首脳会談で、今の国会での条約の承認と関連法案の成立を目指す考えを伝えることにしています。
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 わが国のハーグ条約加入が永年の懸案であり、加盟が後れていたのなら、その理由があるはずです。しかし。NHKのニュースはその理由も反対論が根強いことも報じません。

 NHKは2011年2月2日放送のテレビ番組「クローズアップ現代」で「急増する国際離婚トラブル」と題して次のように論じていました。
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No.29962011年2月2日(水)放送
急増する国際離婚トラブル
http://www9.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_2996.html

出演者
伊達 裕子
(NHK生活情報部・記者)
いま国際離婚をする日本人と外国人のカップルの間で深刻な問題が起きている。突然子どもを国外に連れ去られた人がいる一方で、海外での結婚が破たんし子どもを連れて帰国した日本人が「誘拐犯」として指名手配される事例まで現れているのだ。子の連れ去りが政府間の政治問題にまで発展し、日本は今、子の連れ去りを防止するハーグ条約の批准を諸外国から求められている。しかし国内には賛否両論が渦巻き、いまだ政府の明確な方針も見えていない。子どもの連れ去り問題をめぐる現状とその課題を描く。

出演者の発言
番組中の出演者のコメントを掲載
出演者
伊達 裕子 (NHK生活情報部・記者)
伊達 裕子記者(NHK生活情報部・記者)

【スタジオ1】

●賛否分かれるハーグ条約

>>いずれの親も根っこにあるのは、子どもと一緒にいたいという切実な思いなんですね。
一歩も譲れない思いがぶつかり合っているだけに、条約加盟の是非を巡る判断というのは、非常に難しいんです。この問題を複雑にしているのは、外国での離婚がさまざまな困難を伴うということなんです。帰国した女性の中には、慣れない外国で幼い子どもを抱えながら働くことが難しかったり、あるいはことばのハンディがある中での裁判で不利な状況になったりして、精神的にも追い詰められて、やむなく帰国したという方もいます。一方で、子どもが連れ去られた人の中には、ことばも法律も異なる国で、子どもを捜すことが非常に困難だということがあります。中には、子どもの居場所すら分からないという人もいるんですね。


●背景にある日本と海外との違い

>>家族に対する考え方の違いというのがあります。日本では、離婚した場合にお母さんが子どもを引き取って育てるというケースが8割以上に上るんですね。一方で欧米では、両親が離婚したあとも、それぞれお父さんもお母さんも子育てに関わるというのが一般的なんです。例えば、離婚後も両親が近くに住んで、1週間はお父さん、その次の週はお母さんという形で交代して子育てをするというようなケースも珍しくないんですね。なぜそういったことが行われるかという背景には、離婚後に両方の親と関わり合うということは、子どもにとってもいいことだという考え方があるからなんです。したがって、子どもを無断で引き離すということは、違法であるという考え方にもつながるんです。


【スタジオ2】

●条約を変える動きについて
>>実はスイスは、国内の法律を改正する前に、ハーグ条約そのものを改正しようということで提案をしています。しかし、この提案はほかの加盟国からは受け入れられていません。このため、スイスは条約の運用上の課題を補うために、国内の法律を改正したということなんです。


●日本が加盟する際の準備

>>非常に多くの準備が必要になってきます。加盟国では子どもの返還については、主に裁判所が判断するんですね、返還するかしないかということを。もし日本が条約に加盟するということになった場合、裁判所の人員確保をどうするのかということですとか、あるいはハーグ条約に詳しい専門家をどう育成していくのかといったことも課題になります。また、返還の手続きの中で、どういったケースであれば子どもを返還するのか、あるいはしないのか。子どもの利益がきちんと守られるような形で、判断がなされるように、基準を作ることも必要になりますし、国内法の整備も含めて、いろいろと準備することが出てきます。


●国際離婚 求められる対応

>>改めてやはり国際離婚というのは、非常に難しいんだなということを実感しました。
ハーグ条約に加盟している国の中では、離婚後も両親が共同で子育てをしているという国も多く、中には相手の同意や裁判所の許可がなければ転居すらできないと、それも禁じられているという国もあります。取材した人の中には、自分が離婚に直面するまで、ハーグ条約そのものを知らなかったという人も多くいました。国際結婚をして、外国で子育てをするということであれば、その国の家族に対する考え方であるとか法律、あるいはルールといったことを十分に知ったうえで、決断をするということが必要なんですが、なかなか結婚するときにそこまでは考えられないということもあると思うんですね。やはり、結婚のときにハーグ条約や相手国のことを知らせるような仕組み、そういったものも必要になってくるんではと思いました。
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 番組放送から2年、これらの問題点は解消されたのでしょうか。
 それを論じることもなく、それらの問題点があることを報じることもなく、安倍訪米の手みやげとして、ハーグ条約加盟がなされようとしています。

 この条約加盟の結果、悲しい思いをする日本人女性が増えると思います。この条約で救われる日本人はほとんどいないのではないでしょうか。

 自民党が無関心なのはこの問題が「票」にならないからに他なりません。

 外交の基本は自国、自国民の利益を守ることです。それがないがしろにされようとしています。安倍訪米の手みやげに、条約の対象になる同胞を泣かせていいのでしょうか

No.144 - 2013/02/19(Tue) 13:14:27 [pon218-252.kcn.ne.jp]