 | 新型コロナの“惨事(不幸)”を“追い風(好機)”と表現した読売新聞
7月29日の読売新聞社説は、「一極集中是正 働き方の多様化を追い風に」と言うタイトルで、次のように論じていました。 ------------------------------------------------------- (社説)一極集中是正 働き方の多様化を追い風に 2020年07月29日 05時00分 読売
新型コロナウイルスの流行は、人口集中の問題点を浮き彫りにした。地方分散に向けて、政府は効果的な取り組みを進めてもらいたい。
政府が地方創生に関する今年の基本方針を決めた。過密に伴うリスクを減らすため、東京一極集中を是正する必要性を強調した。
人口が密集する都市部は、感染症が広がりやすい。首都直下地震や豪雨などの災害が起きれば、甚大な被害が生じる。危機管理を考えると、総人口の3割が東京圏に集中する現状は、早期に是正しなければならない。
基本方針は、コロナ禍で広がったテレワークをさらに推進することや、企業の地方拠点となるサテライトオフィスの設置促進などを打ち出した。情報通信網の整備や税制優遇を通じ、地方での企業活動を後押しするべきだ。
大手企業では、テレワークを大幅に拡大し、単身赴任の解消やオフィスの削減を目指す試みも始まっている。場所にとらわれない働き方の増加は、地方への人口分散を進める好機となろう。政府は的確に施策を講じる必要がある。
内閣府の調査によると、感染拡大中に就業者の3割がテレワークを経験し、移住への関心が高まったという人も少なくなかった。
仕事を続けながら住環境の良い地方で暮らすことができれば、生活の質は向上しよう。
受け入れ自治体の役割も大きい。田舎暮らしに憧れて移り住んだものの、孤立を感じ、都市部に戻る人もいる。きめ細かく相談に乗るなど、移住者を温かく受け入れる体制を作ってほしい。
重要なのは、若者が地方に定着できる環境を整えることだ。東京圏に流入する人口の大半は、進学や就職などを機に故郷を離れる20歳前後の若者である。
基本方針は、地方国立大学の定員を増やすことを掲げた。科学技術の専門教育を充実させるなどの改革を検討するという。
全大学生の4割が東京圏に集中し、地方大学の定員割れは深刻である。定員を増やしても、教育内容の魅力を高めなければ、地元に残ることは期待できまい。
島根大学は大手企業と協力し、世界トップクラスの金属材料の研究拠点づくりを目指している。ロボットや航空宇宙の研究を強化するなど、特色のあるカリキュラムを設ける大学もある。就職につながる実践的な教育が特徴だ。
地方の活力を高めるためには、産官学が連携し、将来を担う人材を育てる努力が欠かせない。 ------------------------------------------------------- 新型コロナの“惨事(不幸)”を“追い風”として(便乗して)、“働き方改革チーム”の人達が頑張っているのを、今度は“地方創生チーム”の人達が、更にそれを追い風として(便乗して)、“東京一極集中排除”に頑張っていると言う形でしょうか。
私が“便乗”と批評したのを、“追い風(好機)”と表現したのには、そういう言い方もあるのかと、少し“感心”しましたが、やはり不幸な出来事を“追い風(好機)”と言うのは、かなりの違和感があります。
彼らにとっては、とにかく“チャンス”である事は間違いなかったので、つい、そういう言葉が出てしまったのでしょう。
「移住への関心が高まったという人も“少なくなかった”」とありましたが、高まったのは“関心”止まりで、それも“少なくなかった”とある事から、決して“多数”ではなかったようです。
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No.946 - 2020/07/29(Wed) 23:02:03 [pknn018-223.kcn.ne.jp]
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