ヘッドフォン再生の奥深さには驚嘆させられるものがあることに無知だったのだが、 今更ながら、この新製品紹介記事を見て、なーるほど、と納得。 http://www.phase-tech.com/digital/productspage_EPA-007.html
ヘッドフォンはラウドスピーカーに比べ電力比で約1000倍と圧倒的に感度が高く、 1mW程度の電力で十分な音量が得られます。 このようにヘッドフォンは感度が高いためデバイスの質が敏感に音に反映されます。
私のATH-W1000でも図のように至れり尽せりの超豪華素材が投入されており、もしも このような材料でスピーカーを作ったら、とんでもない価格になってしまうだろう。 ちょこっとしか使わないからこそ贅沢が出来るわけだ。 実用技術での考えられることの全てがコスト抜きで投入されていると言って良い。 それが音質にどこまで寄与するかの保障はないが、出来ることはやったという感じ。 でも、更にまだまだ高価なヘッドフォンが存在するので、コストをかけられる部分が あるのだろうか。あるんだろうなあ。
上記の新製品では、ダンプコントローラーはヘッドフォンの制動力を可変することで、 好みに合った音の柔らかさと、より自然な頭内定位を得ることができます。とある。 アンプのダンピングファクターなんかを可変出来るのであろうか? これは面白いかも知れない。ずいぶんと音色が変化しそうだ。 ジャンルに合わせて楽しむなんてことも出来そうである。 こういう仕様は初めてかも知れない。ヘッドホンブームだからこそなのか?
素朴な疑問なのであるが、 1.なぜ、ヘッドフォンアンプにはトーンコントロールが無いのだろうか? 何10万円という高額な代物にも一切付いていない。 2.なぜ、ヘッドフォンアンプには電子ボリュームが採用されないのだろうか? これは思うに微弱な電圧/電流を扱う繊細部分なので、そういった回路を通す余地が ないのじゃなかろうか? 量より質が大事であり、音を汚す要素は徹底的に排除されているはずなのだ。
ふつうヘッドフォンアンプなんかオペアンプICで物凄く安価に作れてしまうはずだ。 無線と実験誌の広告ページを見ると、3000円くらいのキットで作れてしまうようだ。 だけど同じキットでもディスクリートで組むと、5万円も掛かってしまう。 http://www.47labs.co.jp/shop/html/0147.html
合理的とか効率的とかいった考え方からはディスクリート部品/配線はムダなものだ。 しかし、私のマランツのCDPでは敢えてそれをやっている。 ディスクリートはコストがかかるけどと技術者はこぼしているのだが、金儲けだけが 企業の生き方じゃなかろう。評判がいずれは業績に反映されてくるに違いない。 私のヘッドフォンは標準的なインピーダンス(40オーム)なのでCDP内蔵アンプ で問題なくドライブ出来る。まあ周波数での部分的には100オームとかなるのかも しれないけど問題はないだろう。
しかし、ATH-W1000の音の切れ味といったら、まさに妖刀村正のようである。 アサダ桜の間伐材(入手難になってるそうだ)を活用したハウジングから想像すると 柔らかな穏やかな響きが出てきそうだが、とんでもない。空恐ろしい性能なんだから。 巨大なマグネットを背負ったホーンスピーカーのドライバーみたいな強靱な高音だ。 肝心の木製のハウジングはどう寄与してるのか、整振チップを試しに貼付けてみた。 するとまあ、どうしょうもない鼻が詰まったような音色になってしまったのだった。 すぐに剥がした。アサダ桜の素材の響きが音質と大きく関わっているのだ。
今風というのか野菜や果物は甘味が強くなっているらしいし私は酒呑みじゃないので よくわからないが、お酒も辛口は好まれなくなっているとか。 そういう意味で、ATH-W1000は辛口本醸造の感じで、本格派。違いの分かる通好み。 外観のウッディーなイメージとよく似合った音を出すのはデノンのAH-D5000らしい。 私は聴いたことはないけど、ネットではもっぱらそういう感想が多い好評判機器。 実際の製造元(OEM)はフォステクス(フォスター電機)なので安心品質ですよ。 http://www.h-navi.net/ah-d5000.php
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No.194 - 2011/02/23(Wed) 15:50:49
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