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記事No.473に関するスレッドです

バスと赤ちゃん / インファント
「バスと赤ちゃん」
(道徳副読本「中学生の道徳1」暁教育図書株式会社)より

 東京にいた今から16年程前の12月も半ば過ぎたころの話です。
 私は体調を壊し、週二回、中野坂上の病院に通院していました。
 その日は今にも雪が降り出しそうな空で、とても寒い日でした
 昼近くになって、病院の診察を終えバス停からいつものようにバスに乗りました

 バスは座る席はなく、私は前方の乗降口の反対側に立っていました
 社内は暖房が効いていて、外の寒さを忘れるほどでした。
 まもなくバスは東京医科大学前に着き、そこでは多分病院からの帰りでしょう、
 どっと多くの人が乗り、あっという間に満員になってしまいました
 立ち並ぶ人の熱気と暖房とで先ほどの心地よさは一度になくなってしまいました。
 バスが静かに走り出したとき、後方から赤ちゃんの火のついたような泣き声が聞こえました。

 私には見えませんでしたが、ギュウギュウ詰めのバスと人の熱気と暖房とで、
 小さな赤ちゃんにとっては苦しく、泣く以外方法がなかったのだと思えました。
 泣き叫ぶ赤ちゃんを乗せて、バスは新宿に向い走っていました。
 バスが次のバス停に着いた時、何人かが降り始めました。最後の人が降りる時、後方から、
「待ってください 降ります」と、若い女の人の声が聞こえました

 その人は立っている人の間をかきわけるように前の方に進んできます。
 その時、私は、子どもの泣き声がだんだん近づいて来ることで泣いた赤ちゃんを
 抱いているお母さんだな、とわかりました。
 そのお母さんが運転手さんの横まで行き、お金を払おうとしますと
 運転手さんは「目的地はどこまでですか?」と聞いています

 その女性は気の毒そうに小さな声で
 「新宿駅まで行きたいのですが、子どもが泣くので、ここで降ります」と答えました。
 すると運転手さんは
 「ここから新宿駅まで歩いてゆくのは大変です目的地まで乗っていってください」と、
 その女性に話しました。

 そして急にマイクのスイッチを入れたかと思うと
 「皆さん!この若いお母さんは新宿まで行くのですが赤ちゃんが泣いて、皆さんに
 ご迷惑がかかるので、ここで降りるといっています。
 子どもは小さい時は泣きます 赤ちゃんは泣くのが仕事です。
 どうぞ皆さん、少しの時間、赤ちゃんとお母さんを一緒に乗せて行って下さい」
 と、言いました
 
 私はどうしていいかわからず、多分皆もそうだったと思います。
 ほんの数秒かが過ぎた時、
 一人の拍手につられて、バスの乗客全員の拍手が返事となったのです。
 若いお母さんは何度も何度も頭を下げていました。

 今でもこの光景を思い出しますと、目頭が熱くなり、ジーンときます。
 私のとても大切な、心にしみる思い出です。

No.473 - 2012/11/27(Tue) 11:02:49

人間皆、最初は赤ちゃん / インファント
先日、マンションの廊下でタバコを吸っていると、お隣の奥さんが、
よかったら使ってください、と、
赤ちゃんの衣類の為の小さなハンガーをたくさんくれました。
家内と娘がいうには、ブランド品で、とても良い品物のようでした。

江戸時代の長屋じゃなくとも現代の遮音性に優れたマンションでも
赤ちゃんの声は聞こえてしまうものなのです。
それは赤ちゃんの泣き声の周波数特性によるものなのです。
人間の耳の一番敏感な音の帯域で赤ちゃんは泣くのです。
男女問わず、赤ちゃんは同じキーの高さで泣きます。本能でしょう。
耳障りと感じてしまうのは当然ですが、いい大人は我慢しなきゃね。

赤ちゃんの泣き声に対して怒っても良い資格を有する人は、ご本人が
赤ちゃんの時に、一度も人前で泣いた事がないと証明出来る人だけ。
もちろん、そんな人間は一人もいないのです。
キリストさんのお話で、こういうのがあったと思います。
姦通罪を犯した女性に対して当時は石打ちの刑が普遍的であったようですが、
キリストさんは、それもいいけど、生まれてから一度も罪を犯したことの
ない人だけが石を投げなさい、と言ったとか。いいことを言いますね。
ここでいう罪というのは発覚しなかった犯罪もそうだけど、ウソをついたり、
非道徳なことをやったことのないという意味だと思いますよ。
そんな人間は一人もいないはず。

No.474 - 2012/11/27(Tue) 22:14:05

Re: バスと赤ちゃん / のりえ
インファントさん こんばんわ。
寒くなってきました。
慌ただしい師走ですが
どうぞ お身体には気をつけてください。

バスと赤ちゃん
とても心の温まるいいお話でした。ありがとうございます。

私の場合 千葉という 見知らぬ街に越して
年子で子育てをしました。
1才と0才の息子を 身内もなく
頼る人もなく 子育てをしました。
あっ すみません。
主人がおりましたけれど
ほとんど朝から晩までお仕事していました。

なので 私は この お母さんの気持ちになって
胸がジーンとしました。
なんだか 遠い記憶を思い出して
泣きたいきもちになりました。

必死だったあの頃の感情が
よみがえりました。

すてきなお話、
ありがとうございます。

No.475 - 2012/12/04(Tue) 22:01:11

クジラと赤ちゃん / インファント
先日、NHKで「大海原の決闘! クジラ対シャチ」というのを見ました。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1021/

決闘なんていってもクジラになにか武器があるとか戦法があるとは思えません。
案の定、やられっぱなし。
母親にくっついている子クジラを親から引き離しておいて取り囲んで溺れさす。
子供は親クジラよりも息が続かないので、すぐに窒息死してしまう。
そうなったら子クジラは親の前で食べられてしまうだけ。
母親は攻撃手段もなくて、ひたすら子クジラの下へ潜りこんで浮上させるだけ。
それでやっと繰り返しているうちにシャチは面倒くさくなったのか諦めて去る。
とても対決じゃないじゃん。クジラはシャチを食べないのだし。専守防衛です。
モスラ対ゴジラという映画も見るまでは、戦いようがないじゃんと思ってた。

ところが、決闘シーンがあったのです。
コククジラの子供が何故か親とはぐれてしまい一頭で海峡にさしかかった。
これはかっこうの獲物であり、シャチにとっては大チャンス。
すぐにシャチの群れが襲いかかった。
すると不思議な事が起こった。別種であるザトウクジラが助けにくるのだった。
擬人化するのは変だけど、どこか人情があるように思った。
例え他人の子であっても、人種が違っても全力で泳いで来て助けたくなる。
これって、今の人間に本能的にも欠けている感じすらある。

ザトウクジラには大きな胸鰭がある。これは片方で500キロという重量があり、
海上に振りかぶって叩き落とすとシャチでも大けがをするとのこと。
ただ単に大きいからじゃなくて一応戦う手段があるのがザトウクジラ。
普通はシャチを襲う生き物はいない。海中では無敵の存在。
彼らにも生きて行く為の行動なので、いじめというわけではないのだけれど、
子クジラを襲ってCENSOREDも食すのは一部分で遊び喰いしているようだ。
そこが憎たらしいのだけど、地球上に数百頭しかいないらしい。
一方のクジラは数万頭。シャチは4.5年に一度しか子を産まないらしい。

鴨川シーワールドでシャチを見てから大ファンになったんだけど今回はちょっと
憎たらしいと感じた。(笑)

No.476 - 2012/12/15(Sat) 14:20:52