以前から愛読していた「ぽっかぽか」という漫画が完結した。 最近じゃなくて今年の4月に雑誌連載が終わっていたのだが、 私は文庫本しか買わないので、15巻目を買った時点で、カバーに 全15巻と書いてあるので、なんで急に全巻なんだと思って 調べてわかった次第です。 内容では最終回なんてまったく気づけるような表現はないので お終いまでずっと一貫したペースで終わったようです。
テレビドラマ化もされて3シリーズ作られたそうですが、ドラマは 見たことはありません。ドラマやアニメは本とは別と思ってるので。
最終話での違和感は一つだけある。 旦那さんが急に課長に昇進すること。 これって今までの路線と根本的になにか矛盾してるように思える。 そういう世間の一般的評価とは別の世界に幸せがあることが本作品の テーマじゃなかったのではないだろうか? それに一人娘が幼稚園に通ってる時期に主任になり課長になる。 これはかなり無理な設定だ。これは瑕疵といっても過言でないと思う。 しょせん漫画だからね。これでいいんだよ、じゃ済まないのでは?
他の人はどう感じたのだろうとネット上の感想を読むと。 主任から課長はおかしい。主任から係長、係長から課長だろうという 意見もあったが、これは井の中の蛙で、会社の制度によるのであって、 私の勤務先では主任と係長は同格で、主任から課長への昇進もありだ。 そういう問題じゃなくて、サラリーマンたるもの課長なり部長なりに なってこそ一人前という概念が作者にあることが問題なのだ。
どうもこの作者は私の世代みたいだ。調べたら昭和24年生まれらしい。 いわゆる団塊の世代。三丁目の夕日の作者も同じ。 家族とは愛情とはという哲学的な面を思い起こさせる傑作だと思うのに、 最後に団塊の世代の考え方の限界やら欠陥の部分が出てしまった。 そう感じるのが切ない。自由な作風に不自由さが露呈しちゃた感じだな。 失敗しない主人公というのも時代遅れだ。 そんな立派な人間ばかりじゃないし、立派じゃなくてもいいだろうに。
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No.561 - 2015/08/29(Sat) 08:36:33
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