| 国立劇場で歌舞伎なんて書くと年中行ってたみたいですが、それは違います。 22歳の時に、お見合いというか、強制デートさせられたのです。 ザ・ピーナッツというバーチャル・アイドルにばかり夢中になってる息子をみて、 こりゃ駄目だ、なんとか生身の女性を好きになってもらわなきゃと思ったのでしょう。 むこうのお袋さんとは親しいので、当人同士を逢わせてしまおうという作戦です。 その場所が国立劇場だったというわけです。
あまり詳しくは覚えていませんが、デートコース、タイムスケジュールなんか全部が 決まっていて、どのタイミングで幕の内弁当を食べるとか、お土産に何を買うとか、 全部教えてもらってたイメージがありました。 なんで親の言いなりになるのか、という疑問もあるでしょうが、子供のことを真剣に 考えてくれているわけですから、逆らおうなんて少しも思いませんでした。 お互い初対面でしたが、可愛らしいお嬢さんだなと思いました。眼が綺麗だなあとも。 しかし、ザ・ピーナッツしか好きじゃないので、綺麗だろうと美しかろうと駄目です。
お弁当を頂いた後は、京鹿子娘道成寺の踊りです。豪華絢爛、夢のような舞台です。 踊りも素晴らしいけど、これ名曲です。すっかりテンションアップ。 帰宅して、どうだったの? なんて聞かれても、凄い舞台だった。良かった、ばかり。 何しに行ったんだろ、このバカ息子、てなもんだと思います。 結局、お相手にお詫びする結果に……今、考えると、とんでもない親不孝者です。
それよりも、もし彼女が、こちらを気に入ってくれていたとしたら……。 そう思うと、10年以上も経ってから、それを気に病んでしまうようになりました。 他人を傷つけたり、嫌な思いをさせたりすると、死んでから閻魔さまに判定されて、 地獄へ放り出されるような気がするので、人を泣かせたりすることのないようにと 気づかってはいるつもりなんですが、あれは絶対にマイナスポイントだよなあ、と いつまでも気になってます。どうなんだろう? 死んでみないとわからないけど。
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No.81 - 2010/08/28(Sat) 17:04:23 |