★【大学】当たり前になりすぎ?進学率が55%に(YouTube)VIDEO
2009年度に日本の「大学進学率」が初めて「50%」を超えました。 2022年度の日本の「大学進学率」は「56.6%」にまで上昇しています。 大学進学率が上昇した理由の一つとして、短大の「4年制大学への転換」という流れがあります。 ただ、1990年代以降に「大学進学率」が上昇した大きな理由は「高校生の激減」です。 少子化で「高校生が激減」しているのに、「大学全体の学生定員」が減らなかったのです。 最近の日本の大学入学者は、「第二次ベビーブーム世代」が大学に進学していた「1990年代前半」よりも増えています。 下の表は、1955年度から2022年度までの日本の「18歳人口」「大学入学者」「大学進学率」を並べたものです。 ■日本の「18歳人口」「大学入学者」「大学進学率」(1955年度〜2022年度) ------------------------------------------------------------------- 1955年度 18歳人口 168万2239人 大学入学者 13万2296人(大学進学率 7.9%) 1956年度 18歳人口 174万6709人 大学入学者 13万5740人(大学進学率 7.8%) 1957年度 18歳人口 153万1488人 大学入学者 13万7451人(大学進学率 9.0%) 1958年度 18歳人口 166万3184人 大学入学者 14万2584人(大学進学率 8.6%) 1959年度 18歳人口 187万1682人 大学入学者 15万1879人(大学進学率 8.1%) 1960年度 18歳人口 199万7931人 大学入学者 16万2922人(大学進学率 8.2%) 1961年度 18歳人口 189万5967人 大学入学者 17万5832人(大学進学率 9.3%) 1962年度 18歳人口 197万4872人 大学入学者 19万7211人(大学進学率 10.0%) 1963年度 18歳人口 177万0483人 大学入学者 21万1681人(大学進学率 12.0%) 1964年度 18歳人口 140万1646人 大学入学者 21万7763人(大学進学率 15.5%) 1965年度 18歳人口 194万7657人 大学入学者 24万9917人(大学進学率 12.8%)★ 1966年度 18歳人口 249万1231人 大学入学者 29万2958人(大学進学率 11.8%)★ 1967年度 18歳人口 242万6802人 大学入学者 31万2747人(大学進学率 12.9%)★ 1968年度 18歳人口 235万9558人 大学入学者 32万5632人(大学進学率 13.8%)★ 1969年度 18歳人口 213万3508人 大学入学者 32万9374人(大学進学率 15.4%) 1970年度 18歳人口 194万7237人 大学入学者 33万3037人(大学進学率 17.1%) 1971年度 18歳人口 184万6787人 大学入学者 35万7821人(大学進学率 19.4%) 1972年度 18歳人口 173万7458人 大学入学者 37万6147人(大学進学率 21.6%) 1973年度 18歳人口 166万7064人 大学入学者 38万9560人(大学進学率 23.4%) 1974年度 18歳人口 162万1728人 大学入学者 40万7528人(大学進学率 25.1%) 1975年度 18歳人口 156万1360人 大学入学者 42万3942人(大学進学率 27.2%) 1976年度 18歳人口 154万2904人 大学入学者 42万0616人(大学進学率 27.3%) 1977年度 18歳人口 162万3574人 大学入学者 42万8412人(大学進学率 26.4%) 1978年度 18歳人口 158万0495人 大学入学者 42万5718人(大学進学率 26.9%) 1979年度 18歳人口 156万3868人 大学入学者 40万7635人(大学進学率 26.1%) 1980年度 18歳人口 157万9953人 大学入学者 41万2437人(大学進学率 26.1%) 1981年度 18歳人口 160万7183人 大学入学者 41万3236人(大学進学率 25.7%) 1982年度 18歳人口 163万5460人 大学入学者 41万4536人(大学進学率 25.3%) 1983年度 18歳人口 172万3025人 大学入学者 42万0458人(大学進学率 24.4%) 1984年度 18歳人口 167万7764人 大学入学者 41万6002人(大学進学率 24.8%) 1985年度 18歳人口 155万6578人 大学入学者 41万1993人(大学進学率 26.5%) 1986年度 18歳人口 185万0694人 大学入学者 43万6896人(大学進学率 23.6%) 1987年度 18歳人口 188万2768人 大学入学者 46万5503人(大学進学率 24.7%) 1988年度 18歳人口 188万2034人 大学入学者 47万2965人(大学進学率 25.1%) 1989年度 18歳人口 193万3616人 大学入学者 47万6786人(大学進学率 24.7%)◆ 1990年度 18歳人口 200万5425人 大学入学者 49万2340人(大学進学率 24.6%)◆ 1991年度 18歳人口 204万4923人 大学入学者 52万1899人(大学進学率 25.5%)◆ 1992年度 18歳人口 204万9471人 大学入学者 54万1604人(大学進学率 26.4%)◆ 1993年度 18歳人口 198万1503人 大学入学者 55万4973人(大学進学率 28.0%)◆ 1994年度 18歳人口 186万0300人 大学入学者 56万0815人(大学進学率 30.1%) 1995年度 18歳人口 177万3712人 大学入学者 56万8576人(大学進学率 32.1%) 1996年度 18歳人口 173万2437人 大学入学者 57万9148人(大学進学率 33.4%) 1997年度 18歳人口 168万0006人 大学入学者 58万6688人(大学進学率 34.9%) 1998年度 18歳人口 162万2198人 大学入学者 59万0743人(大学進学率 36.4%) 1999年度 18歳人口 154万5270人 大学入学者 58万9559人(大学進学率 38.2%) 2000年度 18歳人口 151万0994人 大学入学者 59万9655人(大学進学率 39.7%) 2001年度 18歳人口 151万1845人 大学入学者 60万3953人(大学進学率 39.9%) 2002年度 18歳人口 150万2711人 大学入学者 60万9337人(大学進学率 40.5%) 2003年度 18歳人口 146万4800人 大学入学者 60万4785人(大学進学率 41.3%) 2004年度 18歳人口 141万0679人 大学入学者 59万8331人(大学進学率 42.4%) 2005年度 18歳人口 136万5804人 大学入学者 60万3760人(大学進学率 44.2%) 2006年度 18歳人口 132万5722人 大学入学者 60万3054人(大学進学率 45.5%) 2007年度 18歳人口 129万9571人 大学入学者 61万3613人(大学進学率 47.2%) 2008年度 18歳人口 123万7294人 大学入学者 60万7159人(大学進学率 49.1%) 2009年度 18歳人口 121万2499人 大学入学者 60万8731人(大学進学率 50.2%) 2010年度 18歳人口 121万5843人 大学入学者 61万9119人(大学進学率 50.9%) 2011年度 18歳人口 120万1934人 大学入学者 61万2858人(大学進学率 51.0%) 2012年度 18歳人口 119万1210人 大学入学者 60万5390人(大学進学率 50.8%) 2013年度 18歳人口 123万1117人 大学入学者 61万4183人(大学進学率 49.9%) 2014年度 18歳人口 118万0838人 大学入学者 60万8247人(大学進学率 51.5%) 2015年度 18歳人口 119万9977人 大学入学者 61万7507人(大学進学率 51.5%) 2016年度 18歳人口 119万0262人 大学入学者 61万8423人(大学進学率 52.0%) 2017年度 18歳人口 119万8290人 大学入学者 62万9733人(大学進学率 52.6%) 2018年度 18歳人口 117万9808人 大学入学者 62万8821人(大学進学率 53.3%) 2019年度 18歳人口 117万4801人 大学入学者 63万1273人(大学進学率 53.7%) 2020年度 18歳人口 116万7348人 大学入学者 63万5003人(大学進学率 54.4%) 2021年度 18歳人口 114万1140人 大学入学者 62万7040人(大学進学率 54.9%) 2022年度 18歳人口 112万1285人 大学入学者 63万5156人(大学進学率 56.6%) ------------------------------------------------------------------- ※★…日本の「第1次ベビーブーム世代」(1947年〜1949年生まれ)が含まれる ※◆…日本の「第2次ベビーブーム世代」(1971年〜1974年生まれ)が含まれる ※「短期大学」を含まない ※「18歳人口」は文部科学省の定義に基づくもの ※出典:文部科学省「学校基本調査」(政府統計サイト「e-Stat」で公開中) ※転載自由 上の表を見ると、「1970年代」にも大学進学率が「急上昇」していることがわかります。 1970年代に大学進学率が急上昇した理由は「18歳人口の減少」と「大学の定員増加」です。 この当時に「高校を卒業」して「大学に進学」していたのは「1950年代半ば〜1960年前後」に生まれた人たちです。 ちょうど現在の「60歳代」の人たちです。 日本では、現在の「60歳代」の人たちが「大学に進学」した頃から「大学の大衆化」が進んだことがわかります。 現在の日本の大学進学率は当時の「2倍」になっているので、今の大学は「超大衆化」が進んでいると言えるでしょう。 大学進学率が「2倍」になったということは、最近の「大卒者」の下位50%は、30年〜50年前の「高卒者」「短大卒者」と大してレベルが変わらないと言えるかもしれません。 これまで「高卒者」「短大卒者」が働いていた職場に「大卒者」が入っても何もおかしくはありません。 「大卒者」の割合が高くなると建設作業員や運転手などの「現場労働者」が不足気味になるという問題があります。 「現場労働者」が不足すると「流通」「インフラの維持補修」「災害復旧」などに悪影響が出てきます。 最近ニュースになった「大学無償化」は、大学進学率をさらに上昇させてしまうかもしれません。 大学進学率の上昇は「新社会人の平均年齢上昇」(若さの喪失)を招くという問題も抱えています。
No.247332 2023/12/18(Mon) 11:17:49