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/ 大人未満

 雪が降っています。私は棒になって立っていました。
 あなたが通り過ぎます。行ってしまいました。
 雪が降り続いています。
 小学生の女の子たちが通りかかりました。誰でしょう。
 私に赤いリボンを結んでくれたのは。
 夜なっても雪はやみません。
 あなたが何故か現れます。
 私は身を固くしました。
 男の人があなたと去っていきました。
 雪が小止みとなりました。
 私は棒になって立っています。
 涙が出てきました。
 闇に私は埋もれてしまいました。
 朝、リボンが雪から顔をのぞけています。
 私はすっかり女の子に生まれかわっているのでした。

 
 
 
 
 

No.1504 - 2024/10/16(Wed) 00:02:42

Re: 雪 / 荻座利守
夢の中の情景のように受け取りました。
雪、棒、闇、それらは自分が身動き取れないことを表しているかのように感じます。
小学生、赤いリボン、女の子は、懐かしい思い出の断片でしょうか。
誰か大切な人、あるいは何か大切なものを、動けないまま待っていることの切なさが伝わってきます。
切ないながらも幻想的で美しい詩だと思います。

No.1506 - 2024/10/16(Wed) 08:52:21

Re: 雪 / 齋藤純二
私は雪だるまなのでしょうか、
孤独な寂しさを感じつつリボンをつけられ
ひととき心がほっこりしたのでしょう。
でも、その人は私から……
情景が浮かび心情が伝わってきますね。

No.1507 - 2024/10/16(Wed) 11:59:04
/ 大人未満

 雪が降っています。私は棒になって立っていました。
 あなたが通り過ぎます。行ってしまいました。
 雪が降り続いています。
 小学生の女の子たちが通りかかりました。誰でしょう。
 私に赤いリボンを結んでくれたのは。
 夜なっても雪はやみません。
 あなたが何故か現れます。
 私は身を固くしました。
 男の人があなたと去っていきました。
 雪が小止みとなりました。
 私は棒になって立っています。
 涙が出てきました。
 闇に私は埋もれてしまいました。
 朝、リボンが雪から顔をのぞけています。
 私はすっかり女の子に生まれかわっているでした。
 
 
 
 
 

No.1503 - 2024/10/15(Tue) 23:46:16
私は世界に連れられて、踊りを踊っているのです。 / 佐々木礫
わたしは世界に連れられて、踊りを踊っているのです。ため息に悲しみは潜み、私は遠くへ目を向けて、ふらりといつかの海を見る。きらりと光る魚たちは、ゆうゆう必死に泳いでいる。私は海から目を離し、空飛ぶカモメを見上げます。すぐに黒い雲に隠れて、カモメは消えてしまいました。その刹那、ぽつりと雨が目に飛び込み、私はまるで泣いているみたいでした。真白い紙の人形は、雨粒ひとつの重さにも、耐えずにしなりと倒れます。真白い紙の人形は、そよ風ひとつの勢いに、揺られてへなりと倒れます。私は世界に連れられて、踊りを踊っているのです。
No.1502 - 2024/10/15(Tue) 21:46:28

Re: 私は世界に連れられて、踊りを踊っているのです。 / 荻座利守
世界の動き、あるいは流れに翻弄されている、小さく無力な自分の姿を描いているように感じました。
光を放ちゆうゆうと見えながらも必死に泳いでいる魚や、すぐに黒い雲に隠れてしまうカモメは、華やかなものの裏に隠れた苦しみや、微かに見えた希望がすぐに失われてしまう様を表しているようです。
無力な自分を「真白い紙の人形」に喩えたところが、どこか呪術に用いる形代を想わせて、世界や未来への仄かな願いを感じさせます。
美しい作品だと思います。

No.1505 - 2024/10/16(Wed) 07:07:46
別れ / 成城 すそ
おわかれをしましょう
あの金木犀の下で

とても楽しかったよ
とても幸せだったよ
とても苦しかったの

おわかれをしましょう
あの金木犀の下で

あなたのために
あの金木犀の下で

オレンジの花が気持ち悪い
あの金木犀の下で

No.1495 - 2024/10/14(Mon) 23:55:09

Re: 別れ / 荻座利守
「とても楽しかったよ
 とても幸せだったよ
 とても苦しかったの」
というところが、人と共に在ることに伴う、心の複雑さを表しているように感じました。
そして、金木犀の花を「オレンジの花が気持ち悪い」と表しているところに、その心の複雑さが現れているようで、面白い表現だと思いました。

No.1499 - 2024/10/15(Tue) 08:32:53

Re: 別れ / 成城 すそ
> 「とても楽しかったよ
>  とても幸せだったよ
>  とても苦しかったの」
> というところが、人と共に在ることに伴う、心の複雑さを表しているように感じました。
> そして、金木犀の花を「オレンジの花が気持ち悪い」と表しているところに、その心の複雑さが現れているようで、面白い表現だと思いました。


ご講評ありがとうございます。
とても〜の3文が個人的にとても気に入っています。
もちろん楽しかったし、幸せだったけど、苦しかったんだよ。というように、人の感情は花のように綺麗なものでは無いという感じで……
綺麗な金木犀に嫉妬して、気持ち悪いなんて思ってるのかもしれませんね(笑)
再度になりますが、ご講評ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。

No.1501 - 2024/10/15(Tue) 19:03:37
探求 / kou
 
いいことだけで生きてゆきたい
今生きていることの
いいことだけを抽出して
お日様に晒して
何も恥じることはなく
生きてゆきたい

でも僕にはできない
僕は煙草を吸っている
ラッキーストライクがなければ
一日がはじめられない


だから他にいいことを増やしてゆく
いいことが悪いことを
征服するまで
いい習慣をつづけてゆく

今日は早起きした
今日は湯船に浸かった
でも今日はピラティスをしなかった・・・


作ってもらった豆腐グラタン
美味しかったな
僕にもっといいことはできないか
そもそもそれはできることなのか
僕の探求は続く

 

No.1488 - 2024/10/14(Mon) 17:10:56

Re: 探求 / 荻座利守
永い探求になりそうですね。
悪いことよりいいことを増やしてゆくのは、一生をかけて取り組んでゆくことのようにも思えます。
仏教で言う「諸悪莫作・衆善奉行」ということですね。
特に大きなことではなく、早起きや、湯船や、ピラティスなど、日常的な事柄が書かれているのが、無理せず長続きしそうでいいと感じました。
(豆腐グラタン、初めて聞きましたけど、美味しそうですね。)

No.1494 - 2024/10/14(Mon) 21:15:07

Re: 探求 / kou

こんにちは。
最近、「習慣」その継続に関する書物をよく読みました。
どれにも書いてあったのですが
「キーストーン・ハビット(要の習慣)」というものが
存在しており
そのキーストーン・ハビットを習慣化することができれば
生活面が全て良い方向へ回り出すのだそうです。

僕は色々なことの習慣化に手を染めていますが
どれか一つでもそれが継続してゆき
それが先のキーストーン・ハビットであることを
願っています。

しかし僕が詩を書くと、どうも仏教方面の教化の詩に
なってしまいますね(焦)。
もちろん、伝統仏教大好きですし・・・。
加えて、現代の西洋医学、心理学も
急速に仏教に接近しているようにも感じられます。

No.1498 - 2024/10/15(Tue) 07:22:01
ああ 若かったね / 桃
繰り返す
毎日に
少しのざわめきと
彩りを
たしてくれた
あなたに
好意を持っています

そんな
浮気だとか
そういう類では
くくれない
ある種の気持ちなのです

心の底にある
私の真意を
温めてくれるような
かかわりあい

そうとして
おきましょう

やがて
時がたったら
ああ
若かったねと
笑って
言い合えるでしょう

No.1487 - 2024/10/14(Mon) 17:02:25

Re: ああ 若かったね / 荻座利守
浮気といったような言葉ではくくれない、温かな心のふれあい。それは、そこからはみ出してはいけない、何か神聖なもののように思えます。
そしてそれに対しての、やがて時がたったら、という未来への視点に、ほのかな爽やかさを感じます。
それは人生の中の大切なひとコマとなるのでしょう。

No.1493 - 2024/10/14(Mon) 19:10:48

荻座利守さま / 桃
読んでいただき、感想までいただき、とっても嬉しく思っております。

神聖なもの、、、そう言っていただけて、喜んでいます。
嬉しい限りです。

ほのかな爽やかさとか。

すごく、気持ちがいい解釈をしてくださいますよね。
いつも。

ありがたいです。

人生の中の大切なひとコマとか。

いい表現で、素敵です。

また、頑張りますので、どうぞこれからもよろしくお願いします!!

No.1497 - 2024/10/15(Tue) 03:36:39
こだま / kou

さみしいな と思えば
さみしいな と声に出してみる

歯がゆいな と思えば
歯がゆいな と声に出してみる


ちょっと恥ずかしいけれど
マインドフルに 自分に正直に言葉を発す


哀しいな と思えば
哀しいな と声に出してみる


そうです
この私はこころに対し山々です
木霊しているのです
ずっとずっと木霊して生きてゆくのです


 

No.1486 - 2024/10/14(Mon) 16:59:20

Re: こだま / 荻座利守
同じ言葉の繰り返しを「やまびこ」ではなく「木霊」と記されているところが印象的でした。
木霊とは古木に宿る精霊のことです。
それを考えると、今の自分の心に「木霊」する「私」の内に、遠い過去から受け継いだ生命のはたらきのようなものを感じます。

No.1492 - 2024/10/14(Mon) 17:53:58
悪くはないでしょう? / 桃
愛してる
以上に
あなたを
愛してしまって

ときめくを
超すほどに
あなたに
ときめいてしまって

あられもない
心から
気持ちが
溢れ出し
溢れ出るのを
やめません

これほどの
愛が
他にあったでしょうか
これほどの
愛を
誰も知らないでしょうに

私だけが
知っているのよと
言わんばかりに
軽く笑う
そんな私も
悪くはないでしょう?

No.1485 - 2024/10/14(Mon) 16:54:48

Re: 悪くはないでしょう? / 荻座利守
誰かのことを本当に想う気持ちを言葉に表して伝えることは、意外と難しいものですよね。
そんな気持ちは誰にも気づかれず、自分自身しか知らないものです。
でも、そんな状況を軽く笑うというところが、新鮮な感じでいいなと思いました。

No.1491 - 2024/10/14(Mon) 17:25:58

荻座利守さま / 桃
またまた、読んでいただいて、感想までいただいて、嬉しい限りで
す!!

ありがとうございます。

そうですね。伝達とは、また違い、伝えることには難しさがあると、私も思います。

そんな状況を軽く笑う という、表現を新鮮な感じでいいと、おっしゃっていただけて、誠に光栄です。

ありがとうございます。

私は、いろいろなコンテストに応募していますが、あまり、このような類の詩を求めているコンテストはないので、ストレスがたまって、ついついこういった、ちょっとセクシー路線の詩をここで発表してしまいました。

すみません。

これからも、精進いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

No.1496 - 2024/10/15(Tue) 03:31:10
「なんでもない一日」 / 万年 草
もし今日が
良くも悪くもない
なんでもない
一日だったとしたら

それはもう
またとない
もうけものの
一日だ

No.1484 - 2024/10/14(Mon) 08:53:06

Re: 「なんでもない一日」 / 荻座利守
“No news is good news”という英語のことわざを思い出しました。
舞い上がることも落ち込むこともない、平常心でいることが一番の幸せなのかもしれませんね。

No.1490 - 2024/10/14(Mon) 17:19:47

Re: 「なんでもない一日」 / 万年 草
荻座さま、
ご感想ありがとうございます。
そうですね、なんでもない日こそが
大事なんですね。

No.1500 - 2024/10/15(Tue) 12:58:53
小さなときめき / 中学1年生
 
 あなたが風に吹かれて空から舞降りてきます。
 私も重みがとれて風船のように屋根を登っていきました。
 雷鳴が遠くに聞こえます。
 一瞬光が走りました。
 カマキリが手をあげて私を迎えてくれました。
 あなたが私の胸にとまっています。
 
 

No.1483 - 2024/10/14(Mon) 01:50:48

Re: 小さなときめき / 荻座利守
幻想的な感じの詩ですね。
中盤の雷鳴や一瞬の光が、詩全体を引き締めていて、いいと感じました。
また、読む人により様々な受け取り方がされる作品だとも思います。
個人的には、「私」か亡くなった「あなた」の想い(魂)を受け止めているような印象を受けました。

No.1489 - 2024/10/14(Mon) 17:15:43
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