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がけのうえ / 桃川夕
もうあえなくなったひとを 
ときどきみかけます

こげちゃいろの窓からみあげた
くらい崖のうえ たっています

おれんじのカーブミラーの そば
みずいろフェンスの むこう
すきとおった空からの 
しろい日差に背をひたして
潮風をゆっくり肩先に浴びながら 
海のひろがるかなた 
帽子のつばのした深く ながめています

私に気づかないはずはありませんが
しばらくそうしていて
やがて ゆっくりひるがえると
しずかにさっていきました

No.1449 - 2024/10/03(Thu) 13:26:25

Re: がけのうえ / 山本葉月(紫陽花)
こんばんは。
今まで、前だけを見て人生を歩んで、これからもきっと前だけを見て人生を歩み続ける、なんて若い頃は単純に考えていたそんな気がします。本当にいろいろなタイミングでいろいろな節目でいろんな人に出会いました。また会いたい人、もう二度と会いたくない人たくさんの人、人、人。ただ、こちらの詩に書かれているのは、もう会えなくなった人。とても象徴的ですね。暗い崖の上、オレンジ色のカーブミラー、水色フェンスの向こう。高くて遠い届かないようなところから何か忘れてはいけない気配を感じるのでしょう。私はとても会いたいのでしょうが、会えない人に会うことは叶わない。そのまま静かに去っていく。そうでなければいけない、後戻りはできない人生だから。私のもう会えなくなった人は、どこに佇んでいるのかなと想像しております。しっとりとした秋の夜にぴったりの詩でした。

No.1450 - 2024/10/03(Thu) 22:08:25

Re: がけのうえ / 秋冬
僕の「もう会えなくなった人」を思い浮かべながら読ませて頂きました。気づかないはずはないですよね。きっと「私」が気づいてくれたから、安心して「しずかにさっていった」のだと思います。静かな余韻に浸れる良い詩でした。ありがとうございます。
No.1451 - 2024/10/05(Sat) 15:48:16

新しい詩 / 桃川夕

山本葉月(紫陽花)様・秋冬様
ご講評ありがとうございました。お二人の解釈を拝見して「ご自分なりの深い読み」がそのまま「ご自身の詩」になる、鑑賞という二次創作はつまり「新しい詩」であるということを身に染みて感じました。またご講評よろしくお願いいたします。

No.1459 - 2024/10/06(Sun) 19:57:14
「心の雨」 / 万年 草
心に雨の
降る夜は
涙でにじんで
夢さえ見れぬ

心に静かに
雨が降る
胸も瞳も
濡れている


心に雨の
降る夜は
暗く沈んで
わが身を責める

心が雨に
濡れている
泣いても泣いても
止まぬ雨

No.1446 - 2024/10/01(Tue) 16:07:44

Re: 「心の雨」 / 秋冬
心の雨は
悲しいのか
淋しいのか
悔しいのか

心の雨が
涙となるイメージは
激しい雨ではなく
しとしとと降り続く感じがします

心模様に任せて
雨が止むまで
泣き続けるしかないですね

止んだ時にはスッキリしているといいなぁ

No.1447 - 2024/10/01(Tue) 18:00:28

Re: 「心の雨」 / 万年 草
秋冬さま、
ご感想ありがとうございます。
心の悲しさ、虚しさを、
雨にたとえてみました。

No.1448 - 2024/10/02(Wed) 10:05:21
白い雲、のぞく青い空 / kou


瞑想終えて
情動に揺れるこの世界の
白い雲
のぞく青い空、見ていた

性悪説に生きれば
怖れや
不安に揺れて仕方ない
じぶんを見つめた

悪には悪を成す
理由があって
偉そうに語るが
それは人間のどうしようもなさ
から
来ているんだ

私は
私を
律しないと気持ちが悪い
それにしたってだらしがない
白い雲
のぞく青い空
滲んで

私は性善説に生きよう
悪はどうしようもないこととして
性善説に生きよう
そして外の世界に出てゆこう
そして何か面白いことがあった人の
不思議な話を
聞いてこよう


 

No.1442 - 2024/09/30(Mon) 14:16:10

Re: 白い雲、のぞく青い空 / 荻座利守
自分の中にある善悪と向き合うことが、世界観にも反映されている、そんな印象を受けました。
最初の二行が、自分と世界とが一体となっている「不二」を描いているように思えます。
そしてその次の、タイトルとなっている「白い雲 のぞく青い空」という表現が、達磨大師の「廓然無聖」という言葉を連想させ、そんな境地に至ってみたいという願いを想わせます。
それを踏まえたうえでの「外の世界に出てゆこう」という姿勢に、どこか清々しさを感じました。
(あくまで個人的な解釈です。)

No.1443 - 2024/09/30(Mon) 19:49:58

Re: 白い雲、のぞく青い空 / 齋藤純二
自身の道徳心により
悪の心を満たそうとすると気持ち悪さを感じる。
どこに、誰に喜びを、なんて思いながら拝読いたしました。

No.1444 - 2024/10/01(Tue) 11:17:17

Re: 白い雲、のぞく青い空 / 秋冬
私は
私を

に至る前
瞑想後の

じぶん

という「ひらがな」が
私とは違う他人のように感じて

じぶんを見つめた

がとても効いていると思いました。
心の揺れを上手に書かれていると思います。

No.1445 - 2024/10/01(Tue) 12:42:45

Re: 白い雲、のぞく青い空 / kou

おはようございます。
コメント、評、ありがとうございます。

この作品は親鸞聖人の人間観に影響されて
書いている部分がありますので
同じ仏教の、達磨大師が登場したことに
おおっ、っと思いました。

本来的に、浄土真宗では瞑想はしないんですよね。
しかし私はマインドフルネス瞑想が
健康に良いということで日々、瞑想を実践しています。



そうですね。
ともかく喜びを差し向けたいのだけれど
差し向ける相手のことを信じなきゃならないですよね。
いや、信じなくてもいいかもしれません。
(それでは損、得になってしまう)
ただ単純に、喜びを差し向けて生きて生きたいです。



自分を「じぶん」と表現する。
突き放す。
結局、瞑想することも、いかに自分を客観視するかですから
「じぶん」とひらがなにして迷いありません。
的確に評していただき、ありがとうございました。

No.1453 - 2024/10/06(Sun) 05:03:20
木になりたい / kou

私は木になりたいです
無趣味となり
余計なお金はかからず
それでいて生きぬいてゆきたいです

お酒を飲めば
そんな変身願望は叶えられるが
酒代はかかるし
おまけにお酒をやめて丸七年
体がお酒を受けつけない
この可能性が高い

私は木になりたいです
無趣味であるが
風の強い日はそよぎ詠いたい

しかし今人間として
しかし詠えている喜びよ

それでもどこか
私は木になりたいです


 

No.1437 - 2024/09/29(Sun) 14:28:44

Re: 木になりたい / 荻座利守
木になりたい理由が、無趣味でお金がかからないというところが、個人的には意外性があって面白いと感じました。
趣味にお金をかけすぎた経験がお有りなのでしょうか。
また、お酒を飲めばそんな変身願望は叶えられるというところも、どこか実感がこもっていて新鮮な感じがします。
そして最後に、今人間として詠えている喜びと、それでもどこか木になりたいという思いとの間で揺れ動いている心が描かれているのが、美しいと思いました。

No.1438 - 2024/09/29(Sun) 18:18:56

Re: 木になりたい / kou
こんにちは。
コメント、評、ありがとうございます。

私の趣味といえるものは
時代に逆行しているので、もう止めるかもしれませんが
あさイチ、煙草を吸いながら
豆乳ラテを飲むことです。

この煙草代が一番お金に苦心するところです。
こころのどこかで、もうやめようようと思っています。
禁煙を計画していたりします。
木に憧れたりしています。

他は書籍代ですが、行きつけの図書館の
ラインナップが悪すぎるというところがあります。
しかしたまに「お宝」といえる本を発見することがあります。
まあでもやっぱり本を買ってしまいますね。


趣味は、この二本の柱です。
けして生活が苦しくない、とは言えない。
生きているのが趣味、でいいと思うのです。本当は。
そうしてまた木に憧れるというわけですね。

重ねてありがとうございました。
これからも精進してゆきます。

No.1441 - 2024/09/30(Mon) 14:02:22
ハダカデバネズミの行進 / 佐々木礫
ハダカデバネズミの行進
さしずめ僕らは、王を自称する哺乳類
先が見えずとも進めるはずだ
ハダカデバネズミの行進
さしずめ僕らは、増える細胞のひと塊
盲目的な意思を愛した
ハダカデバネズミの行進
さしずめ僕らは、現象という魂だ
夢見心地の脳みそだ
ハダカデバネズミの行進
さしずめ僕らは、敵に味方する痴呆症
病を病で克服するのだ
ハダカデバネズミの行進
さしずめ僕らは、醜さを嗤う出不精だ
糞土にまみれた愚か者
僕らはハダカデバネズミ?
タカが外れたドブネズミ?

No.1436 - 2024/09/29(Sun) 13:15:02

Re: ハダカデバネズミの行進 / 齋藤純二
生きる階級のある哺乳類という特性を人間に当てはめ、
寿命が長くロボットのように働かせるような社会へ、
強く訴えるエネルギーのある作品ですね。

No.1440 - 2024/09/30(Mon) 01:06:30
「やっと夏が終わったよ」 / 万年 草
やっと夏が終わったよ
長い長い夏が終わったよ

年々夏が長くなるね
夏の暑さも酷くなるね
いったい地球はどうなるの

このまま夏が
長くなってしまったら
そのうち冬も
暑くなってしまうのかな

恐いね
恐いね
どうしよう

みんなで地球を冷やそうよ
暑い暑いと泣いている
地球を冷やしてあげようよ

やっと夏が終わったよ
ようやく秋になるんだよ
やさしい秋になるんだよ

過ぎゆく季節に感謝して
みんなで地球を守ろうよ

No.1432 - 2024/09/27(Fri) 13:05:43

Re: 「やっと夏が終わったよ」 / 山本葉月(紫陽花)
こんばんは。朝晩涼しいと思える時間帯が増えてきました。やっと夏が終わったのでしょう。年々長くなる暑すぎる夏への恐怖に共感致します。みんなで地球を冷やそうよという心を全人類が持てば世界は平和でしょう。自分にも周りにも地球にも優しくできたらいいなと感じました。また、具体的に地球を冷やす方法を提示していただけるともうひとつ心にぐっと響く詩になりそうです。地球を守りたいというとても大切な気持ちの詩ですね。
No.1433 - 2024/09/27(Fri) 21:39:12

Re: 「やっと夏が終わったよ」 / 万年 草
山本様、
ご感想ありがとうございます。
地球を冷やす、具体隊的な方法ですか・・・。
難しいでね。
やはり、化石燃料の使用をできるだけ抑えるという
ことでしょうか。

No.1435 - 2024/09/28(Sat) 09:54:22
Kanashimi / 桃川 夕
水晶の噴水は泣いています
高く勢いよく清らかに
明るく降りそそぐ陽光が悲しい
そのぬくもりが淋しいのです
 
硝子の泪はとめどなく垂直に溢(あふ)れあがり
すぐさま崩れ落ち透き通る鏡面うちつけます
瞬間の光柱が無限に立ち昇る円回廊を
小さな風がいくつもまわっていきます
夕暮の終幕が下りるまで
この輪舞(ロンド)はつづくでしょう
 
水晶の噴水は眠っています
しずかにゆっくりとやすらかに
ふりかかる月光のベールが柔らかい
その冷やかさが心地よいのです
 
吐息は音もなく宙に漂い
いつしか夜気にとけていきます
星々の明滅のささやきに惹かれたのでしょうか
玻璃(はり)の精魂も昇天していくので
やがて安息の噴水に光の罅(ひび)がはしり
 
はりん

割れてしまうでしょう

No.1427 - 2024/09/26(Thu) 22:17:19

Re: Kanashimi / 桃川 夕
> 水晶の噴水は泣いています
> 高く勢いよく清らかに
> 明るく降りそそぐ陽光が悲しい
> そのぬくもりが淋しいのです
>  
> 硝子の泪はとめどなく垂直に溢(あふ)れあがり
> すぐさま崩れ落ち透き通る鏡面うちつけます
> 瞬間の光柱が無限に立ち昇る円回廊を
> 小さな風がいくつもまわっていきます
> 夕暮の終幕が下りるまで
> この輪舞(ロンド)はつづくでしょう
>  
> 水晶の噴水は眠っています
> しずかにゆっくりとやすらかに
> ふりかかる月光のベールが柔らかい
> その冷やかさが心地よいのです
>  
> 吐息は音もなく宙に漂い
> いつしか夜気にとけていきます
> 星々の明滅のささやきに惹かれたのでしょうか
> 玻璃(はり)の精魂も昇天していくので
> やがて安息の噴水に光の罅(ひび)がはしり
>  
> はりん
>
> 割れてしまうでしょう

No.1428 - 2024/09/26(Thu) 22:18:26

Re: Kanashimi / 齋藤純二
水晶は心を映しているような描写で
繊細に光を放って景色の広がっている世界がいいですね。
ぬくもりが寂しい、と想い出を語られているのでしょうか、
表現が素敵です。
「ぱりん」を「はりん」とされているのも雰囲気が出ています。
安息の心に光の罅、割れ方も美しい感じですが
冷たい悲しみが伝わってくる作品ですね。

No.1430 - 2024/09/26(Thu) 22:46:22

Re: Kanashimi / 山本葉月(紫陽花)
こんばんは。水晶の噴水に、とても繊細で優しい命を感じました。
月光はきっと銀色の冷たさでしょう。しかし、それはとても柔らかい月光。吐息はため息のような印象で、それが闇に溶けていく。懸命に美しく生きた命は、はりんと割れてしまう。声にも音にもならない切なさが伝わってきました。

No.1434 - 2024/09/27(Fri) 21:53:29

Re: Kanashimi / 桃川夕
齋藤純二様・山本葉月(紫陽花)様。お二方とも素敵なご鑑賞ありがとうございました。また投稿いたしますのでご講評をよろしくお願いします。
No.1439 - 2024/09/29(Sun) 21:00:21
「生きていれば」 / 万年 草
いつかきっと
必ず陽は昇るからね
今はじっと
その時を待っていようね

時には
つらくて苦しいことが
続くけれど

その度に
心は折れてしまうけれど

生きていれば
生きてさえいれば
そのうちきっと
花咲く朝はやってくるよ

今は
何を信じて生きてゆけば
わからない世の中だけれど


明日は何があるのか
全く予想もつかない
毎日だけど

でも生きていれば
今日を生きる命があれば
明日を生きる力があれば
きっときっと大丈夫

あきらめないで
負けないで
生きてゆこうよ

No.1425 - 2024/09/25(Wed) 13:18:51

Re: 「生きていれば」 / 荻座利守
夜明けを待つ心。
その中にこそ、人間の根本的な生きる意味と力が秘められている。そんなことを感じさせる詩ですね。
今の世の中、何を信じていいのかわからないけれど、己の内に息づく、今日を生きる命と明日を生きる力は信じられる。そんなメッセージを感じました。

No.1426 - 2024/09/26(Thu) 06:56:34

Re: 「生きていれば」 / 万年 草
荻座さま、
ご感想ありがとうございます。
この詩は、能登の方々を思って、
書かせていただきました。
謹んでお見舞い申し上げます。

No.1431 - 2024/09/27(Fri) 12:54:19
一本の木 / 桃
もう少しで泣きそうだったけど
なんとか とどめたよ
笑うのがやっとだったけど
頑張って笑ったよ

果てるまでに
沢山沢山 
いろいろな 気持ちを
味わって
人の心の機微に触れたい

それが
今の私の願いかな

しんどい事も楽しい事も
両方あるのが人生

その中で
私は私を保っていたい
私の体の中に
一本の木が生い茂っているように

そんな私でいたい

時には
取り乱すことも
あるかもしれない
その時は
もうひとりの私の
力を借りるから
大丈夫

こわくなんかないよ
そう言っていれば
本当に
なにもこわくなんかなくなるよ

No.1418 - 2024/09/22(Sun) 09:56:44

Re: 一本の木 / 荻座利守
一本の木とは、まっすぐ天に向かって幹を伸ばした針葉樹でしょうか、それとも周囲に枝葉を広げて、陽光や雨粒を受け止める広葉樹でしょうか。
「人の心の機微に触れたい」
「私は私を保っていたい」
これらの表現から、一本の中に針葉樹と広葉樹との両方の性質を持った木を思い浮かべました。
そんな木があれば、本当になにもこわくなんかなくなるのでしょう。

No.1420 - 2024/09/22(Sun) 17:24:17

Re: 一本の木 / 齋藤純二
我慢をしつつ、頑張っている様子がとても伝わってきましたね。
辛さもひとの気持ちをわかろうとするための糧となり、
そのような心持ちがもうひとりの自分なんだろう、
なんて思いながら拝読しました。
陰と陽、両方の心を持ち一本の木として
バランスを取ろうとしているのかもしれませんね。

歳のせいか、私は最近泣くことを止められないですね。
葬式で同世代の方の病床で頑張った顔を見たら
項垂れて泣いてしまいました。
気がついたら周りの人たちもつられて泣いていまして、
知らない方が背中を摩ってくれていました。
泣くのを我慢する美学があるのかもしれませんが、
悲しい時(辛い時)には泣いていいと思いますよ。持論。

No.1421 - 2024/09/23(Mon) 01:34:02

Re: 一本の木  荻座利守 さま / 桃

こんにちは。
またまた読んでいただいて嬉しいですっ!!

そうですねっ!
針葉樹と広葉樹、両方の性質を持っているかなと思っておりますっ!

よい解釈、ありがとうございますっ!!!

そうですねっ!
なにもこわくなんかなくなると思って書かせていただきましたっ!!!

これからも、頑張って書き続けますので、また読んでいただけると、喜びますっっ!!!

宜しくお願い致しますっっ!!!

No.1423 - 2024/09/23(Mon) 12:09:27

Re: 一本の木 齋藤純二さま / 桃
こんにちはっ!!!
またまた読んでいただいて、嬉しいですっ!!
光栄ですっ!

そうですねっ!
陰と陽、ふたつの性質を持っているかなと思いますっ!!!


よい解釈ありがとうございますっ!!!

泣く事が多くなったとの事。
泣いてもいいんだという事。

とても、心にしみましたっ!!!

そうですねっ。泣かない事は、ひとつの美学みたいになっているけれど、中島美嘉さんの歌、ORIONみたいに、泣いていいんだよ。
という、歌もありますし、

泣いていいんだとも思いますっ!!!

なんか、深いですねぇ。

ありがとうございましたっ!!

また、これからも頑張って書きますので、
宜しくお願い致しますっ!!

No.1424 - 2024/09/23(Mon) 12:17:45
小説 / kou
まだまだ若いと人はいう
まだまだ若いと人はいうけれど
「生活」に押しこめられて
何もたのしいことがない
詩を詠むことしか
ほんとうの自分を語ること以外
晴れ晴れとすることがない


部屋を片づけなきゃならない
雑巾を絞らなきゃならない
ならない
ならないばっかりで
この「生活」には甘味がない
味のなくなった
ガムを噛んでいるよう
だから私は詠うのだ
──私は老いさらばえた!と


パートナーがいるだけ
いいじゃないかと
家があるだけ
いいじゃないかと
いうものもいる
彼らに私は語らない
語ってなんぞやるものか


しかし
部屋を片づければすっきりはする
あの雲が
私の小説のように思えさえする

No.1417 - 2024/09/22(Sun) 09:18:11

Re: 小説 / 荻座利守
日常のどうにもならない倦怠感のようなものと、それへの表面的な理解や批判しかしない人たちへの不満が描かれていますね。
「味のなくなったガムを噛んでいるよう」
という喩えが、その日常のつまらなさをうまく伝えていると感じました。
また、
「あの雲が私の小説のように思えさえする」
という最終連の表現が、日常の中に見出した、微かな救い、あるいは希望を想わせて、いいと思います。

No.1419 - 2024/09/22(Sun) 17:14:42

萩座さまへ / kou

お読みくださり、評もありがとうございました。

現在は、その「生活」ですね。
「生活」に埋没して、落ち着いてきているのですが
私は色々な問題を以前から抱えており
人に表面的に「わかった風」に接して頂くと
何か、「違うんだけれどなぁ」と
激おこ、というか、苛々してきてしまうのです。

その、何か、を表現できるのが
私にとっての、詩、ではないか?と考えました。

その、人生ジェットコースターに乗っているのですけれど
遠目から見たらば、それは小説のようでもあり
今作ではそういった終え方をさせていただきました。

重ねてありがとうございます。
今後もゆっくりと、詩作、文章修行してゆきたいです。

No.1422 - 2024/09/23(Mon) 09:55:30
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