静けさの向こう 深緑の注がれる小径の先の ひらけた視界にとらわれて 暫し呼吸を忘れる
透きとおっているであろう水が はずみをつけて まっしろな飛沫が わき目も降らず落ちていく
一帯の潤いを目と肌で感じて 全身でめいっぱい涼を浴びる
処暑と呼ばれる暦だが 茹だる暑さは落ち着く気配もない
月の満ち欠けがひと巡りしたら きっと街の暑さもほどけはじめて もうひと巡りしたら 夕風がつめたく感じられるだろうか
そうして秋が深まった頃 この世のありったけの絹糸を 惜しみなく降らしているかのような この詩景を 綾なす紅葉がふちどって 殊更に美しいのだろう
家路についてもなお 心地よい水音が 体の中で 跳ねつづけて
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No.2520 - 2025/08/30(Sat) 07:43:27
| ☆ Re: Water fall 補足 / Ema | | | ふりがなですが、 飛沫→しぶき 絹糸→きぬいと 紅葉→こうよう 水音→みずおと と読んでいただけると嬉しいです。 よろしくお願いいたします。
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No.2521 - 2025/08/30(Sat) 07:50:05 |
| ☆ Re: Water fall / 荻座利守 | | | まず、タイトルを「滝」ではなく「Water fall」としたことで、そこに内面的な奥行きを与えていると感じました。 そして全体的に表現力が非常に豊かだとも感じました。特に5連目が秀逸ですね。時の経過を月の満ち欠けが巡ることで表しているところが巧みだと思います。 また、「この世のありったけの絹糸を/惜しみなく降らしているかのような この詩景」というところも、深緑の中の滝に出逢った心情を美しく表しています。 この猛暑の季節に涼しさを届けてくれる、ありがたい作品ですね。
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No.2526 - 2025/08/30(Sat) 09:40:51 |
| ☆ 荻座利守 様 / Ema | | | こんにちは。お読みいただきありがとうございました。 タイトルですが、瀑布寄りの滝のイメージだったのと、特にfallの字面の縦列の感じがよかったのと、他いくつかの理由がありこちらにしました。 処暑がちょうど新月だったので月の満ち欠けの表現をいれてみました(あと秋の月のイメージが湧くかと思い)。 「この世のありったけ〜降らしているような」の配置に悩みました。 最初は6行くらいの滝の描写だけの詩だったので、たくさん付け足しすぎてとっ散らかったかと思ったのですが、すてきなご感想をいただけてとても嬉しいです。ありがとうございました。
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No.2527 - 2025/08/30(Sat) 10:30:14 |
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