あったことをなかったことにしようたって そうはいかない 完全犯罪なんて どだい無理なこと
きみが経験したことで 忘れようにも決して忘れられない出来事があるように 若いころ抱いていた 自分の本当の希望にも いつまでも蓋をしておくなんて どだい無理なこと
そんな希望は 何年たったって 何十年たったって いつか噴出する日を待っている 完全犯罪の 隠れた真実が 突然明らかになるように
だから きみ 気をつけたまえ その日は必ずやってくる たとえば 客先回りの途中で 平和な家庭の団欒で
あるいは 坂道の途中で 思わず背後を振りかえり 沈みゆく夕陽に 向かい会ったとき そうなったら もう危ない
心の片隅に追いやっていた 若き日の望みを もう一瞬も 押し隠すことはできない
きみは ものに憑かれたたように 家庭の団欒を捨て去り あるいは放浪の詩人となり あるいは無頼の画家となり いわゆるまっとうな道を踏み外し やがては 陋巷に窮死するはめとなる…
それが怖ければ 何としても 完全犯罪をやり遂げるしかない
きみの本当の望みに蓋をして 自分の気持ちを押し殺し 窒息したように毎日を生きて行くより 仕方がない
しかし はて それがきみにできるだろうか? 一度でも青春の日に あの魔性の眼に魅入られたきみに 果たして完全犯罪を 遂行できるだろうか?
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No.387 - 2023/11/01(Wed) 11:36:11
| ☆ Re: 完全犯罪 / 荻座 利守 | | | 忘れようとしている若き日の夢を、完全犯罪に喩えているところが面白いですね。 平穏な生活から観れば、若き日の夢は犯罪的なのかもしれません。そして、 「それがきみにできるだろうか?」 と問いかけているところがいいと思います。
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No.388 - 2023/11/01(Wed) 12:02:46 |
| ☆ Re: 完全犯罪 / 齋藤純二  | | | 蓋をしていた希望を開けたくなったのですね。 やはり自己実現のない日々はもの足らぬ日々、誰かの人生になってしまう。 君へと問いかけているが、己にも問いかけているのだろう。 蓋が閉まらないくらいガンガン詩を書きたいものですね。 完全犯罪、ユニークないい作品でした。
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No.389 - 2023/11/01(Wed) 21:03:44 |
| ☆ Re: 完全犯罪 / 滝本政博 | | | ごーぎゃんというペンネームでこの内容ですと、サマセット・ モームの「月と6ペンス」を思い出します。 確かに芸術には犯罪的な一面があります。私はこの度、詩集を刊行するのですが、詩集の中に母への残酷な描写があるので、本ができても母には見せられません。
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No.390 - 2023/11/01(Wed) 21:42:46 |
| ☆ Re: 完全犯罪 / ごーぎゃん | | | 荻座 様
ご感想を書いて下さり誠にありがとうございます。 そうですね、若い頃は何かしら平穏な生活とは相容れない人生に憧れるようなところがありますよね...。 また、投稿致しますので、お読み頂ければ幸いです。ごーぎゃん
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No.391 - 2023/11/01(Wed) 21:59:52 |
| ☆ Re: 完全犯罪 / ごーぎゃん | | | 齋藤 様
ご感想を書いて下さり誠にありがとうございます。 青春時代に抱いていた希望を、ちょっとずつでもいいから形にしていきたいと思います。 また、投稿致しますので、お読み頂ければ幸いです。ごーぎゃん
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No.392 - 2023/11/01(Wed) 22:21:14 |
| ☆ Re: 完全犯罪 / ごーぎゃん | | | 滝本 様
ご感想を書いて下さり誠にありがとうございます。 おっしゃるように、「月と6ペンス」の主人公の姿も思い浮かべながら、この詩を書きました。 また、投稿致しますので、お読み頂ければ幸いです。ごーぎゃん
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No.393 - 2023/11/01(Wed) 22:37:04 |
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