ふと遠くへ行きたくなって 夜風を追いかけながら あてもなく歩いていました
風のようになれたら いつか自由に街を飛べたら 夢見心地に川を伝って 天を仰ぎながら進んでいると
煌々と輝く摩天楼が橋の向こうに現れました 心奪われたかのように ひそかに夜を楽しんで束の間
この喜びを誰かに伝えたいのに わたしは今夜も一人なのです いつもより世界が美しく見えたのは 昨日よりも自分が醜くなったからなのか
未だ作り物のような心で 想いを伝えることが許されるなら わたしは夜の闇になりたい
手入れの行き届いた植栽を眺めながら わたしを魅了した者の正体はあなただったと気がついた
幻想の夜に、あなたの作品がいつまでも輝くように わたしは夜の闇になりたいのです
|
No.1528 - 2024/10/22(Tue) 00:39:12
| ☆ Re: 幻想の夜 / 荻座利守 | | | 自由を求める気持ちと、誰かへの憧れが入り混じった感情を描いているような印象を受けました。 「煌々と輝く摩天楼」とは、その誰かが描いた絵でしょうか、詩でしょうか。 「未だ作り物のような心」「昨日よりも自分が醜くなったからなのか」から「あなたの作品がいつまでも輝くようにわたしは夜の闇になりたい」と展開するところが、劣等感を昇華する感じでいいと思いました。
|
No.1529 - 2024/10/22(Tue) 06:39:15 |
|