九州・西海の海辺から来た美香子 風に震えるこころは 深く深く傷ついていた
高校一年生 お互いこの街へ引っ越して来た異邦人 そのよしみで 次第に言葉を交わすようになった 同級生
九月 校庭で俯いていた美香子 ひとり自転車を倒し 鞄を抱いて固まっていた ある男が西海からやって来る 顔など見たくない だから家に帰るのは嫌だ! と言う なぜ? と問うが 首を振るばかりで答えない
そして 美香子は学校に来なくなった 家に訪ねても出て来ない 気になりながらも半年が経った 彼女は学校を去り 街から消えた
しばらくして 美香子の動静を友人が聞きつけて来た それは無惨なものだった
美香子は西海橋から身を投げた 遺留品の鞄の中から ノートに記した走り書きが見つかった
養父から負った傷の深さに 耐えられなかった ぼろぼろになった身体とこころの重さに 耐えられなかった 自分の身が汚されたから 死ぬ と記されてあった
実際何が起こったか詳細は分からない 全ては海霧の中 美香子の身体は西海に消えたままだ
僅かな期間のつきあいだった 彼女のこともほとんど知らないままだ ただ 十六歳の女に起こった悲劇に こころの痛みを 禁じえず 寂しい思いが滲み出た
|
No.1013 - 2024/04/13(Sat) 00:10:43
| ☆ Re: 美香子のこと / 荻座利守 | | | 胸の痛くなる詩ですね。 表現の技法よりも、書かれている内容の比重が圧倒的に重い詩だと感じました。 このような詩を通して、より良い世の中が訪れることを願います。
|
No.1014 - 2024/04/13(Sat) 12:11:40 |
| ☆ Re: 美香子のこと / 上田一眞(じょうでんかずま) | | | 荻座利守様
こんにちは。上田です。
今回は同級生の死をテーマにしました。詩的な修辞や比喩も枯れてしまうような内容ですね。この掲示板にはふさわしくないかなとも思いましたが、投稿してしまいました。すみません。
今回も感想をお寄せ頂きありがとうございました。
|
No.1015 - 2024/04/13(Sat) 14:51:11 |
| ☆ Re: 美香子のこと / 齋藤純二  | | | とても残念で悲しい内容でした。 ひとがどうにか救われる社会(環境)であってほしいですね。
|
No.1019 - 2024/04/14(Sun) 11:32:14 |
| ☆ Re: 美香子のこと / 上田一眞(じょうでんかずま) | | | 齋藤純二様
苦しい内容の悲劇の詩です。 お読み頂きありがとうございました
|
No.1023 - 2024/04/14(Sun) 13:42:58 |
|