「ある夜、西の方角。金星と。 拡大縮小を繰り返す小宇宙。 時空の狭間から覗く。 色とりどりの輝く天体。 あるいは二匹の蜉蝣の顔。 舌なめずり。真っ黒な本。 楽しそうな読書。 森羅万象、この世のすべて。 あの闇の向こうから生まれた。 ママがそう言ったの。 パパは何も聞いていないの。」 さあ悪徳の始まりだ 清きものは産めよ増やせよ 我ら神の子 正義の子
殺し争う定めならば 罪びと浄化し隣国滅ぼせ
毒の稲穂は実りに実り 過去の栄華は歴史に眠る
我ら神の子 正義の子 高き教えは 隣人愛せ
禁断の果実 世界に一つ 誰かが食べたら 誰もが狂った
さあ悪徳の始まりだ 清きものは産めよ増やせよ 我ら神の子 正義の子
果てるまで流そう 血と汗と涙 誰かの頭蓋を 十字に巻き付け
それが私だ それがお前だ あるいは誰かのママで 誰かのパパで
|
No.1216 - 2024/07/04(Thu) 00:23:07
| ☆ Re: 黒い聖書 / 荻座利守 | | | 宗教戦争や狂信をイメージして書かれた詩でしょうか。 悪を悪と認識して行うことと、正義の名のもとに正義だと信じて悪を行うこととは、表裏一体なのかなと、この詩を拝読してそんなことを思いました。 末尾の 「あるいは誰かのママで 誰かのパパで」 というのがシニカルな感じでいいですね。
|
No.1217 - 2024/07/04(Thu) 07:03:55 |
| ☆ Re: 黒い聖書 / 齋藤純二  | | | 悪徳が正義、正義が悪徳? 概念が思想で変わる感じが恐ろしいですね。
|
No.1218 - 2024/07/04(Thu) 07:51:00 |
| ☆ Re: 黒い聖書 / 霧 | | | 荻座利守さん
ご感想頂きありがとうございます。 自分にとっては縁遠い、戦争に対するもやもやした感情を言葉にしてみました。
齋藤純二さん
ご感想頂きありがとうございます。 私も正義や悪徳という言葉は、人の心の拠り所になるというところが恐ろしいと思います。
|
No.1225 - 2024/07/06(Sat) 19:48:33 |
|