暗闇の中 手は宙をもがいていた 音があれば音のほうへ匂いがあればそちらに向かって宙をかく 手にあたるものは何もなかった ひとりの男が陸橋から下を見下ろしていた 夕焼けが間もなく目を閉じようとしている 海へ突き出た岬に向かう者もいた 風が強くなり鳥が思うように飛べず鉄塔に翼を休めている 陸橋の男が持っていた新聞紙が下へ落ちていった 鉄塔の鳥が飛び立った 崖からダイブする黒い影があった 陸橋を指差す人がいる 銃声がした 鳥がひらひらと舞い落ちていった 列車が急ブレーキをかける音がした 落ちた鳥が翼を地面にばたつかせている レールのまわりに光るビー玉が散らばった 崖下に白い波の花が浮かんでいる 風に巻き上げられた赤いリボンが高いポールに巻きついていた
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No.2572 - 2025/09/13(Sat) 00:57:17
| ☆ Re: 絶命 / 荻座利守 | | | 何か不穏な雰囲気が漂う作品ですね。夢の中の風景や出来事のようでもあり、また、何かを象徴して表しているかのようでもあります。 「崖からダイブする黒い影」「陸橋を指差す人」「銃声」などは、心理的な危うさや不安定さを表しているようにも受け取れます。また冒頭の、闇の中で宙をもがく手もそのようなことを示唆しているようにも思えます。 読み手により、様々な受け取り方ができるような詩だと感じました。
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No.2577 - 2025/09/13(Sat) 10:35:40 |
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