将軍は沈黙を貫いた 敵兵はわが街の侵略を開始していた 名ばかりの講和交渉が続いていた 連絡員が来た 街が占領されかけていると伝えた 相手方の交渉人たちが立ちあがった 彼らはひきあげていく 将軍は席を立たなかった 双方から笑い声が起こった 芝居の幕が下りた 重い照明器具が上から落ちて将軍役が亡くなった ここで詩の物語は終了している 時を経ずWebからこのつまらない詩は削除された 詩の下書きノートは燃やされた 詩を作るという現実が消えた いまがなくなった 記憶の中の自作詩が過去になった 過去がめくらになった 盲の私は瞳を開けている
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No.2260 - 2025/06/08(Sun) 00:44:44
| ☆ Re: 現実 / 荻座利守 | | | 独特な構成の詩ですね。 戦争の歴史、舞台劇、そしてWeb上の詩。場面が次々と展開してゆきくところが面白いです。 後半の部分は、詩作に行き詰まった状況を表しているのでしょうか。その状態を「いまがなくなった」「過去がめくらになった」と表現しているのは、詩作が「今」を生きる自分と一つになっていることを表しているように感じました。 そして末尾の「盲の私は瞳を開けている」というところに、尚も生きようとする意志が窺えます。
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No.2262 - 2025/06/08(Sun) 16:48:11 |
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