寝返りをうつ 沈黙したままのイヤフォンのコードが ひんやりと喉に絡みつく
短く息を吸って 長く吐く やわらかな種が瞼に生まれ 身体のなかへ根を下ろしていく
とうに糊のとれたシーツ いつも同じ夢を見る どく、どく、と 心臓が血を巡らせる音
ふるる、 まつ毛を撫でながら 種が芽吹き 小さな葉をつける
もう覚めることはない 花が咲いたら
この身体は 乾いた土のような 棺のような あるいは 糊のとれたシーツかもしれない
そして また同じ夢を見る
ただ いつもと違うのは 今日は蕾がついたということ
どんな花が咲くだろう 血管を通って 根が全身に結ばれる
重く気だるい微睡みの中で 張り付いた上下のくちびるを はがそうとして 気付く
甘くて どこか妖艶で 哀しい匂いが下りてくる
それが前世、最後の記憶
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ご無沙汰しております。 成長どころか劣化しております。 なかなか書けないのですが、 一から修行し直しますので、よろしくお願いいたします。
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No.114 - 2023/09/19(Tue) 20:32:25
| ☆ Re: 花酔い / 齋藤純二  | | | おっとお久しぶりですね、ひなのさん こちらにご投稿、ちょっとびっくりしていますが、 了解です、後で感想書かせていただきますね。 たぶん、他のレギュラーメンバーも来ると思います(返信に)!
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No.118 - 2023/09/20(Wed) 02:16:42 |
| ☆ Re: 花酔い / 雨音 | | | ひなのさん、劣化していると感じているのですね。 なかなか書けない中で、書いていることは ひなのさんの心の一雫を言葉にしているのですから価値があると思います。
そして、実際、この詩はとても素敵です。 胸に響く言葉が並んでいました。
ひなのさん、劣化なんて全然していないよ。 濾過された美しさがあります。
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No.122 - 2023/09/20(Wed) 10:23:23 |
| ☆ Re: 花酔い / 齋藤純二  | | | 語り部の人生にある第一章を終えられる場面のように感じました。 そして第二章へ沈黙を破り、音楽が流れ始め 自身すら驚くような「私の花」が咲くような気がしました(個人的な感想です)。
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No.124 - 2023/09/20(Wed) 10:58:47 |
| ☆ Re: 花酔い / ひなの | | | 雨音 さん
ご無沙汰しております!
素敵と言っていただけて嬉しいです。
あの頃より歳を重ねた分だけの魅力が 詩に宿っているといいのですが·····。
自分のペースで一雫をしたためていこうと思います。
齋藤 さん
ご無沙汰しております!
私っぽいけど私っぽくない詩になっていたらいいなと思います。
たぶん前までの私はそこを終わりにしてしまうだろうから、そこを始まりにしてみようと思いました。
今度はきれいに咲きますように。
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No.125 - 2023/09/20(Wed) 17:09:03 |
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