遠くへ 遠くへ行きたい 遠くの地下へ 遠くのマンホールの下へ どこかの都市が停電だって 電気があるから停電だって起きるんだ 怪奇現象とかなんとか言って騒ぐなら 電気が届かない僕らがいることを 生きていることを騒いでくれ 僕らはマンホールチルドレン 死骸と共に生きている 僕らは同じ動物の死骸を見て 自分のことのように悲しむことができる 明日は我が身とだとそう思える 地上にいる皆さんごきげんよう 明日が来るって美しいですね 僕らが眠りにつく前 いつも考えることは明日への希望 地面の隙間から少しの明かりが漏れるとき 僕のまぶたはさびきってはいないだろうか
僕らだって行きたいんだ 遠くへ遠くへ行きたい 遠くの地下へ 遠くのマンホールの下へ 仲間が欲しい あたたかい仲間が欲しいんだ まだ僕らだと言えるうちに
遠くで 遠くで 生きたい 僕らにとって地上は遠い遠い異国の地だから もしかしたら天国なのかもしれないけれど
遠くへ行きたい 遠くで生きたい
あたたかいミルクが飲みたいな
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No.101 - 2023/09/17(Sun) 23:12:13
| ☆ Re: あたたかい明日を求めて / 瀬未 | | | めくろりさん こんにちは。 着想鋭く、そしてとても読みやすい作品ですね。電気が届かない…明日への光というものを考えさせられました。ラストの一行、タイトルと呼応していてキマっているなあと思いました。前半、少し連分けをされるともっと素敵になるような気がします。ご参考までに。
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No.102 - 2023/09/18(Mon) 12:02:27 |
| ☆ Re: あたたかい明日を求めて / 齋藤純二  | | | ずいぶん前ですが、テレビの特集でマンホールの下で暮らす人びとの映像を見たことがありました。社会の影響と寒いという環境がもたらし、そのような人びとがいることを知りました。そこで生きている子どもたちは「マンホールチルドレン」と呼ばれているんですね、勉強になります。生きて行くためにたどり着いた生活なのでしょう。ちょっと調べたのですが、現在は欧米や日本の支援団体の活動もあり、そこで暮らす子どもたちは激減しているということなので、すこしほっとしました。マンホールチルドレンの気持ちになって語られたこちらの作品は、強いメッセージとして読者に伝わっていると思います。世の中にはさまざまな過酷な環境に追いやられている人びとがいますので、そういったところに目を向けることも大事だと考えさせられる作品でした。
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No.104 - 2023/09/18(Mon) 19:12:47 |
| ☆ Re: あたたかい明日を求めて / めくろり | | | 瀬未さま ご感想ありがとうございます。ラスト一行について触れてくださりありがとうございます。連分けをした方がよいというご指摘もありがとうございました。
齋藤さま ご感想ありがとうございます。齋藤さまのご感想で支援団体の活動によりマンホールの下へで生きる方々が激減していると知り、継続的な支援でその方々がもう二度とマンホールの下で生きることがないといいなと思いました。
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No.113 - 2023/09/19(Tue) 19:00:02 |
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