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「男の唄」 / 万年 草
男が日暮れに
呑む酒は
楽しいだけの
酒じゃない

つらい想いを
胸に秘め
ぐっとこらえて
流し込む

苦くて辛い
酒もある


男が酔って
唄うのは
明るいだけの
唄じゃない

悲しい心
歌詞に込め
声を震わせ
泣きながら

語って聞かせる
唄もある


男が女に
惚れるのは
抱きたいだけの
夜じゃない

可愛いあの娘の
微笑みが
心の傷を
包むよに

そっとぬくめて
くれるから

No.1582 - 2024/11/01(Fri) 13:29:27

Re: 「男の唄」 / 荻座利守
男が酒や唄や女を求めるのは、その裏にどうにならない寂しさがあるから。
心の内に秘めた寂しさを、素直に吐き出せない不器用さの哀しさが滲み出ている詩ですね。

No.1583 - 2024/11/01(Fri) 19:11:03

Re: 「男の唄」 / 万年 草
荻座様、
ご感想ありがとうございます。
男の悲哀を表現してみました。

No.1587 - 2024/11/02(Sat) 09:40:27
釣り / 中学1年生

 猫が釣りをしていました。
 てぐすが、ひかれていきます。
 竿が、いっきに背を伸ばしました。
 魚が猫の頬をひっぱたいています。
 

No.1580 - 2024/10/31(Thu) 15:27:55

Re: 釣り / 山本葉月(紫陽花)
こんばんは。生きているとどうしても食べないと生きていけませんね。猫も必死。魚だって簡単に食べられたくない。みんな必死に生きてます。竿がいっきに背を伸ばす。ここにもひとつの緊張感。背筋が伸びるような詩になりました。
No.1581 - 2024/10/31(Thu) 23:12:16

Re: 釣り / 齋藤純二
ただじゃ喰われねえぞ、と
魚の突撃だったのかもしれませんね。

No.1584 - 2024/11/01(Fri) 19:44:32
積もる思い / 大人未満

 あの人からメールの感想への返事が来たことがありません。
 何を考えているのでしょう。
 何枚も何枚も破かれた便箋があります。
 詩を書くことでしか、返事ができないのです。
 手がないのです、ものが言えないのです。
 

No.1577 - 2024/10/30(Wed) 22:43:29

Re: 積もる思い / 齋藤純二
詩で返事ができるというのが
かちょいいですね!

No.1578 - 2024/10/31(Thu) 01:13:02

Re: 積もる思い / 荻座利守
詩を書くことでしか返事ができない、という感覚はなんとなくわかるような気がします。
詩を書くよりも、普通の文章を書くことのほうがずっと難しいということでしょうか。
それでは感想に書かれている言葉の一つを取り上げて、それをタイトルにした詩を書いてみてはどうでしょう。
例えば「かちょいい」とか。

No.1579 - 2024/10/31(Thu) 07:35:14
遊園地2 / 石ころ

 「怖くなかった。」
 「ママといっしょだモン。」
 「さみしくない。」 
 「パパには、いつでも会えるでしょう。」
 私は黙っていた。
 「おばあちゃんのところにいってくるね。」
 娘は駆け出していった。
 私は夫のほうを見たが、目はあわせたくなかった。
 義父がこちらのほうを見ていた。
 あわてて顔をそらした。
 胸に、にじみくるものがあった。

No.1573 - 2024/10/29(Tue) 14:58:26

Re: 遊園地2 / 齋藤純二
登場人物みんなの切なさが
とても伝わってくる作品ですね。

No.1575 - 2024/10/29(Tue) 21:15:44

Re: 遊園地2 / 荻座利守
遊園地1と遊園地2との二篇で一組の作品と受け取りました。
一つの同じ出来事を、相反する二つの視点から描いた詩であるところが面白いと思いました。
そうすることにより、いつの時代にも人間の社会がはらむ、普遍的などうにもならない悲しみを、うまく浮かび上がらせていると感じました。

No.1576 - 2024/10/30(Wed) 06:57:40
遊園地1 / 石ころ

 観覧車が、まわりはじめた。
 ジェットコースターが妻子を乗せて波を描いていた。
 「お前も乗ったらどうなんだ。」
 「俺はいいよ。」
 私は手持ち無沙汰に目をそらした。」
 「どうにもならないの。」
 「ああ。」
 母はあきれたように私をみていた。
 父の持ってた風船が手を離れて空へのぼっていった。
 花火の音が聞こえた。
 耳の遠いはずの母が耳を押さえている。
 

No.1572 - 2024/10/29(Tue) 14:39:48
手をつないで / 小指

 もう、泣かないで。
 涙は私で充分だモン。
 ほら、あなたに似た人形が笑ってるよ。
 そんなに悲しい顔をしないで。
 いっしょに歩いてあげる。

No.1571 - 2024/10/29(Tue) 08:42:19

Re: 手をつないで / 荻座利守
優しさのにじみ出ている詩ですね。
「あなたに似た人形」とは、もう一人の「あなた」のことでしょうか。
本人の気づかない、強さや前向きさが隠れていると、伝えようとしているようにも受け取れます。
「いっしょに歩いてあげる。」という同伴者を求めている人は、少なくなのかもしれません。
短いながらもほのかな温もりを感じさせる詩だと思います。

No.1574 - 2024/10/29(Tue) 19:06:57
秋の川の流れ / 大人未満

 私の遺体に筵が被されています。
 私は舟に乗せられたのでした。
 石が転がるように舟は進みはじめました。
 岸の紅葉が珍しいものを見るように視線を動かしています。
 川の傾斜は、きつく舟はどんどん小さくなっていきました。
 ボールが蹴られていくように舟はもてあそばれています。
 ああ、一点となりました。
 私が消えたあと、
 川はおだやかでした。

No.1569 - 2024/10/29(Tue) 00:59:33

Re: 秋の川の流れ / 齋藤純二
こちらの作品とは景色が違いますが、
自分の遺体が夢に出てきたことがありまして、
なんだか縁起でもないと思い、
どんな心理なのか調べたことがありました。
どうやら「生まれ変わりたい」という気持ちがあるらしく、
どちらかというと前向きな心持ちに傾いているようです。
そして、川はおだやかにと作品にありますように
生まれ変わることができたのだろう、
なんて思いながら拝読いたしました。

No.1570 - 2024/10/29(Tue) 02:00:57
なすり合い / 桃
愛さながらの
この気持ちを
恋だと
とどめて
おきましょう

遅ればせながら
愛とは
エゴとエゴの
なすり合い

そこまでは
行きたくない
私ですから

このあたりで
とどめて置きたいのです

それを
わかっていながら
誘ってくる
貴方の気が知れません

No.1559 - 2024/10/27(Sun) 17:59:15

Re: なすり合い / 齋藤純二
自分の気持ちを満たすために
貴方が誘ってくる、のが見えてしまうのでしょうか。
慰め合うのではなくなすり合い、
そこにはもう恋も愛もなさそうですね。

No.1560 - 2024/10/27(Sun) 21:27:28

齋藤純二さま / 桃
いつも読んでくださって、ありがとうございます。

そういう見方も出来ますね。


これからも、頑張りますので、宜しくお願い致します。

No.1567 - 2024/10/27(Sun) 23:21:29
物騒な愛 / 桃
火のないところに
煙がたたないように

愛がないところに
情は湧きません

それが
はかりごとであっても

それが
定めと
私は
物分かりがいいいふりをして

後から
苦しむのです

貴方は
そんな物騒な愛になど

巻き込まれぬ方が
利口だと
私は考えるのです

No.1558 - 2024/10/27(Sun) 17:56:24

Re: 物騒な愛 / 齋藤純二
巻き込まれる方が利口だと考えるのは、
どんな気持ちからなんだろうか……
孤独感、寂しさなのか流されたいのか、
そんなことを考えながら拝読いたしました。

No.1561 - 2024/10/27(Sun) 21:36:38

Re: 物騒な愛 / 荻座利守
はかりごとの愛、世の中にはそんな愛がどれほどあるのでしょう。
そうとわかっていても、そんな愛に近づいてしまうのは、他者と共にありたいと思う人間の性のためなのでしょうか。
冷静な口調の裏に潜む、苦しみや悲しみの記憶が、ほのかににじみ出ているような感じが、抑えが効いていていいと思いました。

No.1562 - 2024/10/27(Sun) 21:39:08

齋藤純二 / 桃
ちょっと行き違いですねっ

巻き込まれぬ方が利口とは、巻き込まれない方が利口だと言う意味です。。

いつも読んでくださってありがとうございます!!
御言葉もいただけて、嬉しい限りです。

また、これからも、精進致しますので、宜しくお願い致します!!!

No.1564 - 2024/10/27(Sun) 23:10:43

齋藤純二さま / 桃
> ちょっと行き違いですねっ
>
> 巻き込まれぬ方が利口とは、巻き込まれない方が利口だと言う意味です。。
>
> いつも読んでくださってありがとうございます!!
> 御言葉もいただけて、嬉しい限りです。
>
> また、これからも、精進致しますので、宜しくお願い致します!!!

No.1565 - 2024/10/27(Sun) 23:13:28

荻座利守さま / 桃
いつも読んでくださって、御言葉もくださって、ありがとうございます!!

とても嬉しいです!

冷静な口調ですかあ。なんか照れますね( ´∀` )

抑えがきいてていいなんて、最高のほめ言葉ですね(⌒∇⌒)

とっっても嬉しいです!!

また、頑張るので、これからもよろしくお願い致します!!

No.1566 - 2024/10/27(Sun) 23:17:33

Re: 物騒な愛 / 齋藤純二
桃さま
すみませんでした。
完全に読み違いをしてました。
「ぬ」を「る」と読んでしまいました。
しっくりと読むことができました!

No.1568 - 2024/10/28(Mon) 08:07:58
物語 / 中学生1年生

 おばあさんは年金をもらいに銀行へ

 おじいさんは朝から銭湯へ

 川から病院船が流れてきます。

 となりのトメさんが入れ歯を洗っていました。

No.1556 - 2024/10/26(Sat) 23:42:58

Re: 物語 / 荻座利守
不思議な感じの詩ですね。
病院船とは戦争や大規模災害などの際に利用されるものらしいのですが、それが何でもない日常の風景の中に、川から流れてくる、という形で現れるのが独特です。
様々な解釈ができる、面白い詩だと思います。

No.1557 - 2024/10/27(Sun) 17:41:10

Re: 物語 / 齋藤純二
川から桃ではなく病院船なんですね。
この物語の続きが気になるなあ。

No.1563 - 2024/10/27(Sun) 21:47:28
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