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(No Subject) / 双葉雨希
人混みの中で、息の仕方を忘れてしまったように。
息の吐くところを忘れ、肺が膨らんだ状態でさらに息を吸う。
酸欠になってクラクラとする頭。
これは恋とよく似ている。

人混みの中から抜けた、人から見えない物陰で。
深く息を吸いこむと、酸素を得た血が身体を巡る。
ドキドキと鳴り熱くなる心臓。
これも恋とよく似ている。

昔、好きな人がいた。
君のことを思うたび、吐き気を催した。
胃が捻れ曲がるほど、君の一喜一憂を想像した。

それは恋によく似ていた。
一途な片思いだった。

あの日、私は君の姿を橋の上から覗いた。

そして今日の眠れない夜。
私はまるで、恋煩いする少女のようだ。
苦しくて、息ができなくて、消えてしまいたい。

No.4217 - 2026/07/20(Mon) 20:51:54

Re: / 荻座利守
恋や片思いを、息のできない、の仕方を忘れてしまったといったことで表しているところが、実感がこもっていていいですね。
「君のことを思うたび、吐き気を催した。」というのも、とても独自性のある表現だと思います。
消えてしまいたくなる心情が巧みに表されています。

No.4221 - 2026/07/20(Mon) 21:51:51

Re: / 双葉雨希
 荻座様

 ご感想ありがとうございます。

No.4230 - 2026/07/21(Tue) 14:09:49
詩の「し」として / マヒルマ
宙に浮く思考は可燃性
誰かに火傷を負わせた
私はとたんに濃くなって
輪郭がくっきり出はじめる
私をみないで
みないで

いつか透明になれたら
棒飴の棒に
看板裏の電気に
街ゆく人びとのひとりに
世界の「せかい」に
なれたら
どれだけ

どれだけ

No.4215 - 2026/07/20(Mon) 18:28:23

Re: 詩の「し」として / 荻座利守
誰かを傷つけてしまうことへの恐怖でしょうか、あるいは、生きている以上は傷つけざるを得ないことへの苦しさでしょうか。
「棒飴の棒」「看板裏の電気」「世界の『せかい』」「詩の『し』」。
すぐに捨てられてしまうもの、裏側にあって目に見えないもの、発せられた途端に消えてしまうもの。
他者を傷つけることのない、そのような存在への憧れでしょうか。
とても印象深い詩です。

No.4216 - 2026/07/20(Mon) 18:36:33
「戻っておいで」 / 万年 草
あなたの後ろの
見えない影が
そっと手招き
しているよ

誰も知らない
異界へと
ゆるゆる
あなたを
誘っているよ

聴いてはいけない
子守りの唄で
あなたを惑わし
引き込んで

二度とは戻れぬ
黄泉への道へ
早くおいでと
誘ってる

くわばら
くわばら
南無阿弥陀仏

戻っておいで
そこから先は
通せんぼ

行かせはしません
絶対に

魔物は祓って
戻っておいで

No.4211 - 2026/07/20(Mon) 08:52:01

Re: 「戻っておいで」 / 荻座利守
今回はなんだか少し怖い感じの詩ですね。
憂鬱な気分がひどくなった時に、ふと、黄泉の国への甘い誘いが聞こえてくるのでしょうか。
詩を書くことが、この「くわばら くわばら」になるといいですね。

No.4212 - 2026/07/20(Mon) 11:33:49

Re: 「戻っておいで」 / 万年 草
荻座様、
ご感想ありがとうございます。
夏なので、こんな詩を書いてみました。
少しは涼んでいただけたでしょうか。

No.4213 - 2026/07/20(Mon) 13:44:32
痛みへの十字架をかつて愛したと錯覚させたお前へ。 / Suis
(暗転)
舞台の幕を閉ざし、観客席のいない空疎な場所へと高らかに声を荒げる少年は。やや目元に泣きぼくろが見受けられ、裸足とみすぼらしい格好なのに対して瞳は、焔を宿していた。因縁の区切りだと詩の欠片を千切ってみせ悪役にみずから、名乗り出る。苦痛にゆがんだ笑みをこれで終いだと言いたげに滑らかに!
「俺はさ。お前(ら)のその、腐りきった唇を縫い合わせたくて仕方なかったんだ。別れを言うたくせに罪悪感に駆られて痛みの負債をこちらに負わせようとしている浅はかさや、離れた決断によって輝く未来を尽く打ち砕こうとする愚かしさに我慢がならなかった。舐めていると。そして身にふりかかる困難に立ちはだかるときには自業自得だと眼差しは冷え切っていた。散々喚いた末にくわえてひたむきを弄んでは去り、又現れるとは、害虫より外に区別のしようもないと。だから痛みを更に苛烈に、未練など埋めて今後の人生に入らない工夫用にと歳月をふいにし、嫌な人間性を肯定し、受容性をみせた。全てはお前(ら)の意識を加害に巻き戻すために。歌や詩や言葉がかつては輝いて憧れたものの名残もなく。悪者の立場にならないでおこうと必死な姿、慈悲や哀れみの恩恵に縋れずにいる未来のすがたに!耐えきれずに、放り出さないふりをしているに過ぎない。俺はその、全体に対してのぬめる容認を他者に求めることへの甘さに反吐が出た。優しくされたいがされすぎると逃げる、追うと追われないため追い続ける。蜜だけを啜っているなら相応の地獄が有って然るべきだというのに、仮面をかぶっては正当化させ頷かせようとする、好かれたい権化欲に付き合いきれない。構われたくて貴殿らに語りかけていると思うなら、それで結構!生憎と、本心だ。こちらは金星へ傾けたいのに対して延々と、白黒の映画を流し続けてはそばに置く生殺しの罪深さは自覚しているのだろうか。糾弾も変容の期待すらしていない。最早変わろうともしていない人種に敢えて交わろうとも思わない。自分を飾り立て、血のぬくもりを嗜好ととらえては悦楽するそちらと同じになりたくはない。触れられるのも隔てられるのも何方でも良くはない。粘着質な執着と模倣性を辞めて関わらない誓約書を血判付きで賛同していただけるなら何処で何をしていようと関係ないのだ。要は。差し伸べる気も更々なく、文句のみあからさまに垂れ流す輩が近づくと最期は不運になるという事だ。お前は置いていかれ、その施したのに振られた、との物語欲しさに触れる愚か者以外に。俺にはその他には映らない。どれ程まで付き纏う気なのか。正直、裏側になる気も独りになる気概も根性もない奴に居られても迷惑だよ。精々俺と(私と)別れた人間同士で仲睦まじく延々と恨み辛みを吐露するといい。そんな無為な時間を過ごして落魄れる選択をしたのはひとえにお前自身なのだから致し方ない。形はとうに去り、今は只の互いの過ちを容認しあう共犯者もどきになった。終わりにしようと委ね合い泥を押しつけ合う醜い光景。私はお前の事が最初からどうでもいい。私を俺を!想うと。心の底より祈り願うなら!関わらない選択を取ってくれた方が遥かに有り難い。血の繋がりや深い感情の交錯を断ち切った中、未練に縋るほうが間違えている。許さないから安心して良い。手許に残る負の遺産以外にはもはや動かされない。別れよう。お前は恵まれていてそのうえに立つ綿の草原を歩いて嘆いていると少しは周囲に気を回したほうが視野も広くなるんじゃないか。左様ならを幾つも唱えて胃痛の日々だったあの頃を教訓にこれからはどうか艱難辛苦を受けて涙に打ち拉がれてください。されなかろうと些末です。観測しませんから。私と俺の憂鬱を引き出してくれて謝罪をさせたいが倫理の欠如した人間には分からないだろう。左様なら怪物。左様なら化け物に似せた人間。泥のなすりつけ合いより見付けたい者を眺めているよ。亡くなったら屹度、無表情の沈黙なまま焼却炉へ骨ごと燃やすだろう。しろく棚引く煙が垣間みえたときにようやく肩の重しも取れるのだ。蛾は炎に抛らなくては。表情も声も霞み、記憶ごと、なくなる。再会を取り消して想い出のまま一生逢わなければ互いによく済んだ。それすら叶わない夢物語ときて、せめてものと緩衝材を張れる時期を見計らっている。別れは最も波のおだやかで凪ぐころに、予告も予言もなく唐突に終わらせれば諦めがやがて薄まって忘れてゆくと定めて。神様にあいに神社へ足を運んだ。どうかあの無礼な者と生涯深くも浅くも関わることのなきようにと。嗚呼。離れたかった。────さようなら。大嫌いで信念を異なる者。私はお前が心底嫌いでした。今はより厭うております。どうぞ閻魔に舌を痺れるほどのちいさなちいさな拷問が、死後、訪れますように。前を向いてゆきます。愛しかった純真な星。おまえは汚れてしまったね。」

(降壇)埃かぶった床へひからびた雛菊をひとつおいて。少年は港へと船を漕いだ。何処までもどこまでも。遠くを見据えて。

No.4206 - 2026/07/18(Sat) 19:34:41

Re: 痛みへの十字架をかつて愛したと錯覚させたお前へ。 / 荻座利守
少年の泣きぼくろが印象的です。
孤独な少年、孤独を求めている少年、あるいは孤独を選ばざるを得なかった少年を描き出した作品ですね。
最後に独り舟を漕いでゆくところが美しいです。

No.4207 - 2026/07/18(Sat) 21:41:00

Re: 荻座利守 / Suis



独白、吐露、決断を順繰りにすることによって、悲壮感をあらわしたかったので、嬉しいです。

この後の少年は恐らくさまざまな困難に直面し、もしかすると倒れるかもしれませんが、それでも自ら場所を変えたことに意味があると、そう想いを込めて綴りました。

舟に嵐が訪れようとも、それは美しい在り方だと。ありがとうございました。

No.4214 - 2026/07/20(Mon) 16:32:32
(No Subject) / 牛太郎
どれだけ周りに恵まれていても
それを感じる心がなければ
幸せにはなれない
満たされない何かがあって
それを満たそうとしてしまうから周りの
幸せには目を向けられないのかもしれない
ああ ただ一つ ただ一つ
得られさえすれば幸せなのに
ああ こんなにも こんなにも
幸せは転がっているのに

No.4191 - 2026/07/17(Fri) 22:17:42

Re: / 齋藤純二
満たそうとする行為そのものが、
周りの幸せを見えなくする
という逆説がガツンと響いてきました!

No.4198 - 2026/07/17(Fri) 23:48:21

Re: / 世間知らず
 何をもって幸せか、
 問いかける詩ですね。
 目の前にある幸せ
 大切にしたいですね。

No.4200 - 2026/07/18(Sat) 00:49:45

Re: / 牛太郎
ありがとうございます。
幸せなことは実は身近にあるかもしれないのに、それに気づけないから自分は不幸だと思って苦しんでいるのかもしれない、と考えました。
自分自身にも、色んな人にも、身近な幸せに気づいてくれればいいなと思います。

No.4208 - 2026/07/18(Sat) 21:46:10
(No Subject) / テレス
天変地異の序曲
人気の無い学長の
ハインリッヒの法則
スタークラスの
定年先生の読み解く
考え方の宝
命綱はドイツ語録の
反面教師
ハイブリッド言語
泣いたり笑ったり
学問初歩



















































           
       

No.4189 - 2026/07/17(Fri) 19:19:39

Re: / 齋藤純二
学問の世界に潜む危うさ、面白さ、皮肉、発見を
軽やかに断片的な語の連鎖で表現し、
サクサク読めていい感じですね!

No.4197 - 2026/07/17(Fri) 23:43:41

Re: / テレス
学問も海😭あるいは
山のような
チャート式は無理
畑違いな考え方は
勉強できるm(_ _)m

No.4201 - 2026/07/18(Sat) 01:06:06
「幸せ」 / 万年 草
誰かを
心から
愛して
いられることが
きっと
幸せ
なんだろうな

そして
いつか
その誰かに
そっと
愛されれば

もっと
幸せ
なんだろうね

No.4188 - 2026/07/17(Fri) 14:23:39

Re: 「幸せ」 / 世間知らず

 恋愛の初期衝動を
 描いた詩でしょうか、
 幸せが溢れる作品
 ですね。

No.4190 - 2026/07/17(Fri) 19:25:19

Re: 「幸せ」 / 齋藤純二
微笑みが浮かぶいい作品ですね!
No.4196 - 2026/07/17(Fri) 23:36:04

Re: 「幸せ」 / 万年 草
世間知らず様、
ご感想ありがとうございます。
そうですね、恋愛もそうですが、
幸せって、愛しあいされることかなと思い
書いてみました。
 
齋藤様、
ご感想ありがとうございます。
おほめにあずかり、とても光栄です。

No.4205 - 2026/07/18(Sat) 10:55:13
限界 / かるひね
音ゲーというゲームを
ご存知だろうか?
画面内で流れる音楽に
あわせて鍵盤に似た
コントローラーを
タイミング良く叩き
その正確性を競うゲームだ
兄は中学の頃
それは熱中していた

難易度はレベル1から
レベル9まで存在して
兄はレベル3か4と言った
ところだった

兄は平日は
帰宅すると夜間まで
休日は昼夜を問わず
練習していた
まるで本物の楽器を
扱うかのように
常に打鍵音が響いていた
同じ譜面を何度も繰り返す様は
素振りや壁打ちを繰り返している
かのようだった
ある時わたしは聞いた
なぜ練習を続けるのか
周りからしたら上手いとは
口が裂けても言えないのに
なぜ諦めないのか
兄は言った
むしろなぜそんなことを聞くのか
心底意味がわからない
わたしは呆然とした

その3年後に
兄はレベル9までの
全楽曲を制覇した
大会にはお世辞にも
出場できるレベルでは無い
成長も遅いと自覚もしていた
それでも結果として
凡人と言われるところを
超えて見せた
誰に自慢もできないだろう
しかし確かに超えたのだ
自分の限界という一点を

この経験後の兄は
挑戦することに
怯えることが無くなった
何より自分への
確かな熱量を持った
信頼をうちに抱えているようだった

何度も買い替え
接着剤で補強された
ボロボロの鍵盤が
ありあまる熱を
奏でているかのように
今も押し入れに
仕舞われている

No.4187 - 2026/07/17(Fri) 13:08:18

Re: 限界 / 齋藤純二
結果ではなく経験が人を変えるという、
その変化が静かに丁寧に描かれ
じんわりと素敵な物語が伝わってきてよかったです。

No.4195 - 2026/07/17(Fri) 23:33:36

Re: 限界 / かるひね
結果ではなく経験。まさに伝えたかったことを言葉にして頂きありがとうございます。
兄のひたむきな姿勢を精神的に幼かった私は理解できていなかったんです。遊びの延長線上くらいの考えでした。
今振り返ってやっと当時の兄の背中が見えたのかなと感じています。

No.4204 - 2026/07/18(Sat) 08:11:14
何故に小声 / しくら唯夏紗
西の空は晴れて

雲がたなびいている

東の空は曇り

山の上の空だけ

少し湿っぽい

手前の山と奥の山が

おしゃべりしていた

何故か小声で


この疑問を

AIにぶつけてみた

風もなく

山はただそこにいて

湿り気で

音が吸われる感じもある

風景の

音量が小さかったのだと


私に精霊の声が

聞こえたわけでは

なかったようだ

ちょっとだけ

残念な気もした

No.4186 - 2026/07/17(Fri) 12:27:46

Re: 何故に小声 / 齋藤純二
西の空の下にいる手前と奥の山は、
東の空の下にいる山を「かわいそう(湿っぽいから)」と
聞こえないように言っているのかな、
なんて想像しながら楽しめた作品でした!

No.4199 - 2026/07/17(Fri) 23:57:21

Re: 何故に小声 / しくら唯夏紗
> 西の空の下にいる手前と奥の山は、
> 東の空の下にいる山を「かわいそう(湿っぽいから)」と
> 聞こえないように言っているのかな、
> なんて想像しながら楽しめた作品でした!



西には山はなく東に奥と手前の山がある、でしたが想像して楽しめていただけたのは嬉しいです😊

No.4209 - 2026/07/19(Sun) 11:13:18
真上の半月 / しくら唯夏紗
3月26日、19時
外を少し歩いた

ふっと上を向くと
上弦の月?が見える

おぼろ月だ

でも、なんで
こんなに真上なんだろう

春分あたりの月は
こうなのかな

首を上げるのが
少しつらい

月は追いかけてくる
イメージがあった

時々上を見て
やっぱり真上だと確認する

数日前の月は
お椀みたいな形で
横に寝転んでいた

月も眠たいのかと
思ったな

No.4185 - 2026/07/17(Fri) 12:21:54

Re: 真上の半月 / 齋藤純二
歩きながらふと見上げた月、
そのちょっとした違和感を丁寧に描き、
日常の中の小さな発見がそのまま詩になっていて、いい作品ですね。

No.4194 - 2026/07/17(Fri) 23:25:01

Re: 真上の半月 / 世間知らず
 月を眺めて書かれた
 詩ですね。
 「横に寝転んでいた〜
 月も眠たいのかと」
  表現が素敵ですね。  

No.4202 - 2026/07/18(Sat) 07:07:00

Re: 真上の半月 / しくら唯夏紗
占星術を学んでいて月を前より意識するようになりました😌
No.4210 - 2026/07/19(Sun) 11:16:03
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