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手紙 / 能無しの洋梨
拝啓
並行世界へ

そちらはお元気ですか

今の自分と真逆だと思うので状況はだいたい想像がつきます
幸せでしょうね
こっちと違って幸せでしょうね

そちらは正解
こちらは間違い

僕が間違いしか選ばないのが悪いと思いますが
多少たりとも羨ましく思えるものです

そちらの「僕」はもっとまともな人間でしょうね
こんな手紙を書かなくていいような
まともな人間でしょうね

そちらを見るとどこで間違えたか簡単にわかります
しかし戻る手段がないのです

いずれタイムマシンが完成したなら生まれる前まで
戻ってしまいたい
自分の不完全を治したい

No.4012 - 2026/06/22(Mon) 11:01:54

Re: 手紙 / 荻座利守
正しい選択をした自分がいる平行世界の、自分への手紙、という設定がとても独創的で面白いです。
なぜそんな手紙を書くのか。その理由の、「多少たりとも羨ましく思えるものです」「自分の不完全を治したい」というところに、悔恨の深さがにじみ出ていて、いいですね。
そして、「こんな手紙を書かなくていいような/まともな人間でしょうね」ところには、どこか、自分を卑下するかのようでわ実は相手を皮肉っている、そんな雰囲気も感じられて、共感できました。

No.4015 - 2026/06/22(Mon) 16:31:28
愉快な仲間 / ほわいと
ただいまとドアを開けば
吊るされし僕
穴という穴をだらしなく
開きっぱなしの人体
どこか間抜けづらの
窓の向こう側を見つめし僕

夕日が放つオレンジビーム
我らを攻撃
壁掛けの時計
秒針が正確に時を刻んでおりますが
あはは
と笑ってしまった
いつまで時計は時計なのでしょうね

ぐにゃりと
だらりと垂れ下がった指先
きっとこの人
スマホ触ってましたよ

ほうら右ポケット充電2%のキラキラ金属片
パスコードがわかんないけど
犬の画像なんて使っちゃって
スマホはもうスマホじゃないですね

ああそうか警察に電話しなきゃ
もしもしおまわりさん
死体発見でーす
僕の死体でーす
まだ新鮮でーす
犯人ここでーす

あわてて空演技を終えて
死体を眠りから覚ますことにしました

はあはあ
またこの体の中に入るのかと
雑巾みたいでちょっと気おくれしますが
たった一人の友達ですからね

よっこらしょ
口減らしに生きた君
お時間ですよ
夢で安らかに
死者たちと踊りなさい
永久に永久に世直しのダンスを
踊りましょう
みんなの仇は私が打つからね
心配しないでね

もう参ったったら
ないですよ

いつもこんなんだから

No.4005 - 2026/06/22(Mon) 00:20:01

Re: 愉快な仲間 / 齋藤純二
異彩を放つブラックユーモア × 不条理 × 心の深層が混ざり合った、
とても面白い作品ですね。
読みながら笑っていいのか、怖がるべきなのか、胸が痛むべきなのか、
不思議な心境になり拝読できる作品でした。

No.4010 - 2026/06/22(Mon) 09:17:15
劇場 / 世間知らず
 籠る冷房音
 相対する目と目
 口元結び手と手語らう
 響く石音
 白と黒交わる
 挑み 斬り込む一手
 受ける 王者
 
 汗 口角上がる


 秒針 胸を抉る
 肩を  落とす 
  
 王者 安堵の天井
 
 挑みし 手に畳の
 感触

 直して 互いに礼  

No.4003 - 2026/06/21(Sun) 22:00:17

Re: 劇場 / 齋藤純二
囲碁の勝負を描いた作品ですね。
言葉を削ぎ落とし、
動き、表情、音、呼吸で構成されているため、
読者はまるでその場に立っているような臨場感を味わえます。
ピリッとした空気感を味わえる劇場でよかったです。

No.4009 - 2026/06/22(Mon) 09:08:33

Re: 劇場 / 世間知らず

 齋藤様
 ご感想いただき、
 誠にありがとう
 ございます。
 構成をお褒めいただき、
 大変光栄に存じます。
 多数の詩に
 お目を通され
 お疲れのことと
 存じますが
 どうぞご自愛
 下さい。

No.4014 - 2026/06/22(Mon) 13:08:27
(No Subject) / 世間知らず
 私のこと
 『すき』
 だよ僕も
 
 なんて
 『言ったら』
 壊れそうで

 ちゃんと
 『見て』
 いたいさ
 
 どこが
 『好きなの』
 全部さ

 ずるい
 『一つに』
 は無理だよ
 
 じゃあ
 『手を繋いで』
 も良いの

 ほら
 『手を出して』
 本当に

 汗かいてるね
 『君の手』
 もね

 タイトル 上は君 下は僕
 

No.4002 - 2026/06/21(Sun) 21:16:28

Re: / (( み み ))
うふふ、面白い。かわいい。
座布団を。
君から『八枚』手でもらい、頬染まる

No.4004 - 2026/06/21(Sun) 23:50:55

Re: 上は君 下は僕 / 世間知らず
 みみ様
 感想ありがとう
 ございます。
 詩に合わせ
 八枚の座布団
 しかとお受け取り
 頂き感謝致します。
 

No.4006 - 2026/06/22(Mon) 01:28:02

Re: 上は君 下は僕 / (( み み ))
こちらこそ、ごめんなさい。
八枚、忘れないよう、受け取らせていただきます。
ありがとうございます。
世間知らず様、達人ですね。恐れ入りました。

No.4007 - 2026/06/22(Mon) 08:16:39

Re: / 荻座利守
すべての連を短くまとめているところが、恋人同士の、甘くも上手く言葉に表せないもどかしさを、よく表していると感じました。
特に、末尾の
「汗かいてるね
 『君の手』
 もね」
というところが新鮮な感じでいいですね。

No.4008 - 2026/06/22(Mon) 08:57:32

Re: 上は君 下は僕 / 世間知らず
 荻座様
 ご感想頂き、
 誠にありがとう
 ございます。
 結びの一文を
 お褒めいただき、
 大変光栄に
 存じます。
 これから更に
 暑い日々が
 続きますが、
 どうぞ
 ご自愛ください。

No.4013 - 2026/06/22(Mon) 12:49:09
フジツボ / キツネ
はじめまして
はじめまして
僕はフジツボ よろしくね
フラフラ泳いで
亀につく
仲間と一緒 ご飯を食べよ

はじめまして
はじめまして
僕はフジツボ 亀につく
静かに暮らして
眠りましょ
仲間が減った 亀はきれい

はじめまして
はじめまして
僕はフジツボ もう終わり
大きな手が近づいて
海に落として
わらってる

亀はたからで 僕はゴミ

No.3999 - 2026/06/21(Sun) 14:29:06

Re: フジツボ / 荻座利守
人間の価値観による、本来共にある生命へのランク付け、ということを、亀とフジツボを用いて表しているところが面白いですね。
「大きな手が近づいて」というところが、人間の自然への過干渉、あるいは大きすぎる影響力をうまく、そして簡潔に表していると思いました。
そして、末尾の「亀はたからで 僕はゴミ」という皮相的な生命への理解の仕方が、どこか恐ろしさを感じさせます。

No.4000 - 2026/06/21(Sun) 15:06:22
回想フラッシュバック / 能無しの洋梨
幼気を振り返る
今でも痛い気がする
懐かしさはまだまだ残ってる

あの頃本気で信じてた
死後の世界も神の存在も
いまでは存在しない

もう一人だけで進んでいくの
僕は独りで進んでいくの

夢を見ていた
それはそれは懐かしい景色で
見惚れていた
それでも夜が明ければ目を開けなければならない

あの頃綺麗に見えてた
夜明けも朝焼けも
今では当たり前

もう成り行き任せはやめたの
もうまっすぐ進んでいくの

目の前を見ていた
それはそれは悲しい景色で
でも進むの
夜が来ればまた夢に逃げられるから今を生きろ
今を生きる

No.3988 - 2026/06/21(Sun) 07:00:21

Re: 回想フラッシュバック / 齋藤純二
幼い頃と今の落差を描きながら、
それでも前に進もうとする語り手の姿がとても誠実で良かったです。

過去:懐かしさ・信じていたもの
現在:痛み・孤独
未来:進む意志・今を生きる
という三段構成が自然に流れていて成功されてます。

最後の「今を生きる」の断言が詩全体を前向きに締めていますね。
自身を奮い立たせようという強い言い切りがいい感じです。

No.3996 - 2026/06/21(Sun) 09:53:57
発語 / シホ

ことばが
うたを欲っする
ポエジーが
リズムを欲っする

その欲の
力動
波の流れに
まかせるちから

口ずさむのは
名状しがたい
祈りのメロディ

大丈夫
世界は今もうつくしい
一期一会に発語する

No.3987 - 2026/06/21(Sun) 06:25:48

Re: 発語 / 齋藤純二
「言葉が生まれる前の衝動」 を描いてる作品のようですね。
ことばがうたを欲する、ポエジーがリズムを欲するという表現は、
まるで言葉そのものが生命を持っているかのようでよかったです。
ラストの肯定は言霊になるでしょう。

No.3995 - 2026/06/21(Sun) 09:40:15
(No Subject) / かい
 それは
 誰かにとって あっけなく過ぎていくもの
 誰かにとって かけがえのないもの
 
 長い間待ち望んだとしても
 まだ来ないでと嘆き叫んでも
 その時はやってくる
 
 "一瞬"に至るまでの日々で
 泣いたり 笑ったり
 壁にぶつかり 悶え苦しみ
 数多くの思い出物語を携えて 乗り越えたことを
 多くの人は知る由もない
 
 それでも
 私たちは"一瞬"を
 伝えるため 分かち合うため
 彩るため 心に残すため 
 幾度となく困難と挫折を繰り返してきた

 逃げたい 投げ出したい
 考えたくない やめてしまいたい
 何度そう思っただろうか
 
 でも
 やりきりたい 負けたくない
 楽しみたい 届けたい
 なにより この場所が大好きだから
 そう思えた日々があったからこそ 今日まで続けられた

 1日 1回
 そして "一瞬"
 二度はこない 最初で最後
 一度きりの時間
 普段は気にも留めない そんな一時にすべてをかけて

 僕らは 息を吸い
 言葉で 体で
 持てる全てを余すことなく使い
 誰かに思いを伝え 人と人とを繋ぎ
 今日を生きていく

No.3985 - 2026/06/21(Sun) 00:34:36

Re: / 世間知らず
 学校生活や
 部活動をテーマ
 に書かれた詩の
 ようですね。
 三度重ねた
 一瞬にただならぬ
 熱量を感じ
 読ませて頂きました。
 

No.3986 - 2026/06/21(Sun) 02:59:24

Re: / 齋藤純二
一瞬という言葉を軸に、
人が何かを成し遂げるまでの長い時間と努力を描いた作品ですね。 
読みながら胸の奥がじんわり熱くなるような感動がありました。

せっかくなのでタイトルをつけてくださいね。
うーん、「一瞬」かなあ。

No.3994 - 2026/06/21(Sun) 09:30:23
君の想いの重さには / 熊羊
すれ違う日々のなか 記念日だけはまたやってきて
贈りあったプレゼント
大袈裟に喜ぶ君はどこか不安を隠しているようで
僕はぎこちなく笑うだけ
約束のない関係に 傷つきあっていただけだね

僕の気持ちは変わってない 嫌いになったわけじゃない
熱を帯びていく君の言葉に ただ戸惑いを覚えていた

噛み合わない日々のなか ただいたずらに時は過ぎて
もしも僕に罪があるなら
はやく君を自由にしてあげなかったことかな
伝え方が分からなかった
漂う終わりの予感に 君は悲しそうに笑ってた

僕の気持ちは変わってない 変えてなんかいないけど
君の想いの重さには 応えてあげられそうにない

僕の気持ちは変わってない 出会ったあの日から何も
君が思うほどには 僕は優しくなかった

No.3984 - 2026/06/20(Sat) 23:52:31

Re: 君の想いの重さには / 齋藤純二
「君への気持ちは変わらないのに、相手の想いの重さに応えられない」
という恋愛の状況を丁寧に誠実に描いている作品は、
ふたりの痛みがとても伝わってきますね。

熊羊さんは詩を投稿されたばかりだと思いますが、
書く熱量、力量がありますので、
本家の詩誌MY DEARに作品を投稿されてみてください。
そちらでは丁寧なアドバイスがもらえますよ。
この掲示板をスクロールして一番下にHOMEボタンがありますので
そちらから投稿することができます。
(その際は投稿の説明をご拝読いただき、管理人にメールを送ってください)

No.3997 - 2026/06/21(Sun) 10:14:40
悪役のいない悲恋 / 熊羊
悪役のいない悲恋なんて ピエロにならなきゃ 観客もつかない
優しさの温度と タイミングが合わなかっただけ
誰のせいでもないから 胸が痛くなるほど孤独で
幕が上がりさえしなかった 哀れで滑稽な恋物語
あいまいな優しさに期待して 一人芝居の恋をした

終わったことだとわかっているのに
行き場をなくした感情が くすぶっては消え
交わした言葉や さりげない表情の変化
思い出しては 意味を決めつけたがる
勝手に答えを当てはめて 恨む理由をつくるのは簡単だけれど
与えてくれた優しさと 芽生えた大切な気持ち
美しくてあたたかい 無邪気で純粋なひととき
みんな汚してしまうだけだから きっと後から余計に辛くなるだけ

幸せな歌は手に入らなかった未来のようで
悲しい歌は寄り添いすぎて
今はまだ 涙があふれて終わりまで聴けない
悲しみはいつか日常に溶けていく
それを知らないほど子供じゃないのに

ひとりになった部屋で
あまりにも静かな時間が ただ過ぎ去っていくのを見つめている
壊れた心を休めながら 全てが思い出に変わるまで

(追記:アドバイスを参考に、ゆっくりと作品として仕上げました。せっかくなのでここに投稿させてください。あらためてありがとうございました!)

No.3983 - 2026/06/20(Sat) 23:48:39

Re: 悪役のいない悲恋 / 齋藤純二
トリミングされたのもそうなんですが、
前作より語りかけるような口調になっていて
柔らかくすっと拝読することができよかったです。
いいね👍

No.3992 - 2026/06/21(Sun) 08:59:31

Re: 悪役のいない悲恋 / (( み み ))
わたしから関わってしまったことなので、推敲されたことへのお応えはしないと失礼ですよね。そこは読み手として、誠実でありたいと思います。
熊羊様の、言葉があふれ出してくる熱量はすごいと感じます。想いを言葉で捕らえようとされるお気持ちの熱量と言えばよいでしょうか。湧き上がる言葉の量にとまどいを感じられて、助言を求められたように感じます。羨ましいことと思います。
今回はずいぶんと、すっきりされましたね。ただ、ご自分のお気持ちも一緒に削られてしまったところもあるのではないかと、それが少し心配です。ご自分を信じて汲み上げようとされたお気持ち、それは言の葉の想いと同様に大切だと思っています。

今はまだ 涙があふれて終わりまで聴けない

とてもすてきな推敲です。

No.4001 - 2026/06/21(Sun) 19:04:55
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