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記事No.61に関するスレッドです


『スペイン巡礼の道』小谷明、栗律則雄 新潮社 / 中川 [関東]
お手頃にスペイン・ロマネスクを覗くことが出来る本です。
本当は「巡礼の道」というよりも、この「道」という一本の線ができた歴史的な理由の方が重要なようです。

11〜13世紀に、教会建築がドシドシなされ、エルサレム巡礼もサンティアコゴ・デ・コンポステーラへの道もあふれかえり、エルサレムがイスラムに占領されれば「聖地奪還!」とばかりに十字軍遠征が送り出されます。

神への想い、喜び、叫び、また聖なる空間、静寂の時、修道士たちの観想、そして神学がどっと吹き出してきます。

この爆発的な神を讃える時代を「暗黒時代」という人がいたら、白い鳩を見てカラスだと言っているようなもので、ところが未だにそんな馬鹿げたことを平気で言えてしまう人々がプロテスタントには多いのです。
プロテスタントの方々はとくにこのロマネスクを覗けば、いかに教会で嘘が教えられていたかを知ることができます。
プロテスタントが抗議すべきはこの後の時代のゴシックの様式であるというならば、また解らないわけではありません。

おそらく、ロマネスクをちょっとでも覗けば、トンデモナイ時代であったことがよくわかります。

No.61 - 2015/04/19(Sun) 22:33:06