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記事No.69に関するスレッドです


スペインの歴史的背景 / 中川 [関東]
『すがおのスペイン文化史』で、少しばかりスペインの歴史について学びました。

スペインはフランスやドイツなどよりもずっと早くローマ化されました。

その前は、早くからフェニキア人がやってきて南部を貨幣経済に巻き込んでいます。

ギリシャとフェニキアはイベリアに文字、金属の採掘・染料などを早くから伝えていたのでした。
紀元前2世紀後半の第一ポエニ戦争と第二ポエニ戦争でローマ軍によってカルタゴ(フェニキア人)の敗北したために、イベリア半島はローマの支配に入り、ローマ化されラテン語が使用されるようになります。
そのようなこともあって、イベリア半島は文化度が高かったようです。
人種の坩堝といったところでしょうか。
5世紀の初め頃には西ゴート族が侵入し、6−7世紀にはイスラムが入ってきて、キリスト教は来たの方に追いやられます。
1000年近くのイスラムの支配にあって、キリスト教美術は打撃を受けるのですが、レコンキスタ(国土回復運動)の中で、11世紀から13世紀にかけてイスラムの文化もとけ込んだスペイン・ロマネスク美術が花咲きます。

中世キリスト教神学には欠かせないアリストテレスの哲学も、スペインを経由して中部ヨーロッパに入ってきます。
中世のクリスチャンはスペインに習いに行ったのです。
スペインには昔から核になる民族がいなかったこともあって、どこか自由な雰囲気があり、やはりフロンティアな地域はもっとも刺激があったのでしょう。

スペイン・ロマネスクのキリスト教美術はそのような背景があります。

No.69 - 2015/05/09(Sat) 03:40:54