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オッス!毎月20日の担当、法倫房リトルボギーだ!! 何?態度が悪い?まあそう固いことを云うな(お約束)。
いつも態度の悪い俺だが、今回の文章は更に悪くなる。 それだけ怒りが大きい事柄があった。 故に、普段から俺の態度の悪さに眉を顰めている方々は以下の文章を読まれないことをお勧めする。
ムカつくことが2つあった。
一つは、また一人死刑囚が死刑執行を待たずして獄死したことだ。 獄死したのは上田美由紀で、食事中に咽喉を詰まらせ、息を引き取ったと云う不可解なもので、それもそれで死刑を巡る在り様のブラックボックス振りが腹立たしいが、何より死刑確定後に執行することなく、ずるずる引き延ばしたことで起きた不祥事としか云い様がない。
周知の通り、「死刑確定から六ヶ月以内の執行」と云う法規は全く守られていない。 昨今では死刑執行で命を奪われる死刑囚よりも、病気や自害で落命する死刑囚の方が多いぐらいだ。
死刑執行の度に記者会見にて法務大臣は執行死刑囚の選択基準や、執行タイミングについてマスコミから質問を受けるが、決まって、「個々の事案に関する事柄に関しては回答を差し控えさせて頂きます。」を連発して全く答えない。
下手に情報公開すれば、次の死刑執行が容易に予想され、死刑存置派からも、死刑廃止派からも様々な突き上げが来るだろうから、伏せたい気持ちは分かるが、納得いかないことが多過ぎる! 人の命が係わる故、冤罪を避ける為の慎重さを捨てろとは云わないが、やはり世情や国際関係と云った何かの顔色を窺った死刑執行の有無は無くして欲しいものである。
もう一つの話は先日の朝日新聞にあった元法務大臣・平岡秀夫(←敢えて呼び捨てにする)の言についてだ。
平岡は野田佳彦内閣で法務大臣を務めた人物だが、在任中に提出された死刑執行命令書への署名を拒んでいた。 死刑存置論者である俺としては、正式な裁判を経て、殺人事件全体の1%にしか下されない死刑判決を下されるほどの凶悪事件に対して、多くの人間の精査を経て提出された執行命令書に一存で署名しない人間に法務大臣をして欲しくないが、一個人の信念までとやかく云いたい訳ではない。
許し難いのは、このとき平岡が署名を拒んだ理由だ。 記事によると、今現在は自身が死刑廃止論者であることを明言している平岡だが、法相就任時は死刑廃止まで考えていなかったらしい。 それを信じるなら、法相時代の平岡が死刑執行命令書に署名した可能性はあったことになる。
だが、命令書を提出された平岡は、「同じ犯罪が欧州では死刑にならない。」と考えて、署名を拒んだとのことだった。 この時、俺の脳裏を過った言葉は、
「はぁっ!?平岡、頭湧いてんのか!?!」
だった。 周知の通り、欧州にはベラルーシを除いて死刑制度がない。つまりどんなに身勝手な理由で残虐な大量殺人を犯し、丸で反省せず、被害者や遺族を揶揄し続けていても決して死刑にならないのだ。 そんな欧州と比較したら、平岡でなくても死刑に同意することはあり得ないのは頭から分かっている話だ!
例えば、平岡が死刑執行命令書を眼前にして初めて死刑の残酷さを実感して署名を拒んだのなら、法相としては非難に値するにしても、一個人の感情としては分からなくはない。 また、「死刑を執行させない為に敢えて法相となった。」との信念を最初から抱いて就任していたのなら、それも法相の在り様としては非難しても、一個人の信念としては買わないでもない。
しかし、記事にあったような思考での署名拒否(それが本当ならだが)とあっては、個別の案件を精査するのに頭から死刑がない国を比較対象としたぶっ飛んだ思考を非難せずにはいられない。
昨年末予想した様に、やはり12月の死刑執行は無かった。 それが俺の推測によるものかどうかは分からないが、相変わらず一審で死刑判決が下っても二審で覆される傾向が強い日本司法にあってさえ死刑を下された死刑囚を無駄に飼い殺しにせず、けじめをつけて欲しいものである。
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No.59 2023/01/27(Fri) 16:57:30
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