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御来房の皆様、こんばんは。 毎月10日の担当、特撮房シルバータイタンです。
更新が停滞気味な拙房ですが、先日新作のアップを初め、徐々に更新を進めています。
本日話題にしたいのは、3月29日に亡くなられた作家の山本弘氏と、氏が残された言葉について。 拙道場では扱っていませんが、うちの道場主は歴史・特撮・ライブ以外にも多くの趣味を持ち、その中にファンタジーRPGもあり、山本弘氏はグループSNEを立ち上げたゲームデザイナーの一人で、『ソード・ワールドRPG』のゲームマスターを務めたり、それを舞台にした小説を執筆された作家でもありました。
山本氏を初めとするグループSNEの面々には特撮の好きな方も多く、RPGリプレイには様々な特撮ネタを持ち込まれ、それも氏の作品を読む楽しみの一つでした。 一方で、と学会の創設者にして初代会長でもあり、様々な書籍の問題点に舌鋒鋭く踏み込んで問題的された人物でもありました。
氏は自分の携わるファンタジーの世界にも常に問題意識を持たれ、特にコンピューターゲームのシステム上、RPGが経験値やアイテム獲得の為に殺戮ゲームと化していることや、モンスターという存在に対する偏見や差別をフィクションだからと云って許していいのか?との疑問から、名作「モンスター達の交響曲(シンフォニー)」も作られました。
そんな氏が生前残された言葉を噺家・立川志らく師匠が「X」(旧ツイッター)にて紹介されていました。 それは、山本氏の著作「翼を持つ少女」の中で綴られた、
「世の中で最も危険な思想は、悪じゃなく、正義だ。悪には罪悪感という歯止めがあるが、正義には歯止めなんかない。だからいくらでも暴走する。過去に起きた戦争や大量虐殺も、たいていの場合、それが正義だと信じた連中の暴走が起こしたものだ」
というものでした。
私自身、以前「全話解説の間」にて『仮面ライダーOOO』第22話の解説制作時に、同話における火野映司の、
「いっぱい見てきた。誰かを守りたいという気持ちや、自分達の正義を守りたいという気持ちはどんどんエスカレートすることがある。正義の為なら人間はどこまでも残酷になれるんだ。」
の台詞には思い切り考えさせられたので、氏の作品はソード・ワールド関連のものしか読んだことが無くても、山本氏がかかる言葉を残されていたことに非常に納得するとともに、どこかで遥か昔から氏のそんな考えに共感していたような気もしました。
うちの道場主も少年の頃、「正義は必ず通る。」と盲目的に考えていた時期があり、自分の正義が通らないのは自分に力が無さ過ぎるからだと捉え、自らの無能を嘆き、惰弱に生まれさせた神を呪ったこともありましたが、今思えば、もし自分が万事に有能な人間だったら、周囲の諫言に一切耳を貸さず、「俺が正しい。」との一念で人々の感情も理解せず独善を押し切り、正義の名の下に残虐人間になっていた可能性は極めて高かったと思うので、弱い人間に生まれたことにホッとしたものを感じる時もあります。
改めて山本弘氏の御冥福をお祈りするとともに、ありとあらゆる正義・教え・理も暴走すれば元も子もないことを念じ直したいと思う次第です。
ではまた来月。
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No.285 2024/04/15(Mon) 20:54:41
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