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オッス!毎月20日の担当、法倫房リトルボギーだ! 何?態度が悪い?まあそう固いことを云うな(お約束)。
今日話題にするのは、裁判における不起訴についてだ。
昨今、刑事事件において、様々なことが報道において伏せられ過ぎている。 まず、ここ数年、事件において逮捕された容疑者の認否を所轄の都道府県警が明らかにしないことが目に見えて増えた。
勿論、何でもかんでも明らかにしろと云うつもりはない。 例えば組織犯罪などでは、容疑者の認否で容疑者の家族に危害が加えられたり、共犯者が証拠隠滅を初めとする新たな犯行に走ることが懸念されたりといったことも考えられるので、認否を明らかにしないケースが出て来るのも理解出来ない訳ではない。
ただ、解せないのは検察による不起訴の理由を明らかにしないことだ。 邪推するなら、「起訴できなかった。」と云うことで面子が潰れるのを厭うての事と思ってしまう。 何せ、日本の裁判は有罪率99%と云われ、諸外国と比べてダントツに高く、冤罪であっても「起訴されたら終わり…。」との絶望・失望に囚われる者も多いだろう。
ただ、逆を云えば、検察は「絶対に有罪に出来る!」と踏まなければ、起訴を見送る。 まあ、それ自体が悪いとは思わない。死刑案件ならずとも、本来無実の者が有罪判決を受けることがあってはならないが、余程無実の明白な証拠が出て来ない限り、逮捕されたり、起訴されたりした出家でも容疑者や被告は社会的に致命的な痛手を被る。
俺が憤りを感じるのは、不起訴理由を明らかにしないことで、一度は疑いを掛けられた者の名誉回復が進まないことだ。 不起訴になる理由も様々で、確実に有罪と立証出来るだけの証拠が固められず、検察が「勝てない喧嘩」を避けることもあるだろう。 逆に容疑者が無実である確実な証拠が出て来たことで、「起訴してはならない。」と判断が下されることもあろう。或いは、金銭や謝罪でもって容疑者と被害者の間で示談が成立することもあるだろう。
ただ、証拠や嫌疑が不十分なケースや、示談が成立したケースでは、あくまで裁判による裁きが見送られただけだが、容疑者が潔白であることがはっきりしたのなら、「〇〇氏は無実であることが判明したので、起訴しませんでした。」とはっきり云って欲しいし、云うべきだと思う。
恐らくそうなることで、「無実の人間」を一時であれ「犯人扱いした」と云うことへの非難が集中することを厭い、「無実の人を犯人扱いした!」と云われるぐらいなら、「何かを隠してる!けしからん!」と云われる方がまだマシだと捉えているのだろう。
もし、検察関係者がこの文章を見ていて、「無礼な!我々はそんな狭量な心根で犯罪と戦っているのではない!」と憤るのなら、尚の事、容疑者と検察自身の名誉のためにも明らかにすべきは明らかにして欲しいものである。
日本国は日本国憲法にて基本的人権尊重という大原則の下、様々な自由が保障されている筈である。実際最高権力者の悪口を云ったからと云って、逮捕されたり、処罰されたりすることもない。 にもかかわらず、日本の世界のける報道の自由ランキングは恐ろしく低い。真に自由主義、民主主義の国家を誇るのなら、検察も、法務省ももう少し情報公開を真剣に考えるべきで、そうでなければ自由主義も民主主義も「聞いて呆れる。」と云わざるを得ないだろう。
ではまた来月。
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No.107 2023/05/22(Mon) 23:14:06
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