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御来房の皆様、こんにちは。 毎月五日の担当、戦国房薩摩守です。
今日の話題は熊害について。
過去作「北海道苫前郡羆害事件(大正四年)」をつくったことがあるように、うちの道場主は熊という動物が大好きです。 北海道登別市にあるクマ牧場には三回行ったことがあり、その度羆の愛らしさに大興奮して帰っています。 それだけに、OSO18を初めとする例年に比して群を抜いて頻発している熊害事件には私も大変心を痛めています。
ブナ(=どんぐり)が不作の年は熊が食糧を求めて人里近くに降りてくるため、熊害が増加する傾向にあるのは前々から感じていましたが、残念ながら今年はそんな年に当たったようです。
ただ、ここ数日、腹を立てていることがあります。 それは、ヒグマ、ツキノワグマの獲殺を巡って、自治体に尋常じゃない量の苦情が寄せられていることです。 私も熊(のみならず動物全般)が好きなので、やむを得ない処置とはいえ、人間に対して殺傷事件を起こしたり、農業を初めとする人間の生業に害を及ぼしたりした熊が討ち取られることには悲しみを覚えます。 しかしながら、人命や人の生活を守る為に止むを得ない処置に感情論で苦情を寄せる………それも一方的にがなり立てて職員の弁明には一切耳を貸さない暴論ぶりには眉を顰めています。否、明らかな怒りを覚えています。
「熊を殺さないで!」という意見の中には、「麻酔銃で眠らせて山奥に送り返しては?」という一見、もっともに見えるものもあるのですが、麻酔銃は撃ってすぐに効く訳ではなく、至近距離において麻酔銃で熊と戦うのは極めて危険です。 また、熊は執着の強い動物で、山奥に追い返しても、「そこに自分が得た得物がある。」と思い込めば何度でも人里に現れますし、それを奪われると思えば極めて攻撃的になります。
つまるところ、「人里=食事場」との認識を持ってしまった熊は早晩駆除されることになります。 それを防ぐ為に「熊を近づけさせない。」という対処は重要ですが、そんな処置をとって尚人間の生活圏に入ってきてしまう熊は駆除するしかなく、座視していてはいずれ人が殺され、そのとばっちりで数頭の熊が殺されることになります。
そんな知識や構想で傍観する限り、秋田県に連日「熊を殺さないで!」と怒鳴りながら寄せられる苦情電話は、極めて短絡的な感情論で、独善的に為されているとしか思えません。 自治体は勿論、必要対象個体のみを駆除しているハンターに全く罪はありません。
勿論、行き過ぎ・落ち度・無計画に苦情を寄せるのは悪いことではありません。ただ、それならそれで尚の事冷静且つそれ相応の知識と考察をもって行って欲しいものです。
それでは。
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No.183 2023/11/08(Wed) 14:59:28
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