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80〜90年代に「リム出版」という出版社が存在しました。当時の社長が「エイトマン」のファンだったそうで、桑田次郎氏の漫画の今で言う「完全版」単行本を世に出しました。 同じく桑田氏の漫画「まぼろし探偵」の復刻版や、エイトマンの原作者平井和正氏の全集を刊行したりもしてましたね。 桑田次郎氏と言えばウルトラセブンや怪奇大作戦の漫画版を連載された方ですが、この頃は困窮しており、エイトマン復刻版が売れたことで助かったそうです。
さてこのリム出版、それとは別に「コミックスウルトラ大全集」という漫画単行本シリーズもスタートしました。 第一弾は初代マン・セブン・帰り・タロウの各1巻を同時刊行、第二弾はエース・レオ・ザ☆・80を刊行し、以後4作品を互い違いに全5巻ずつ、合計40冊発売すると銘打っていました。 「テレビで語られなかったヒーローの真実」という触れ込みで、テレビで放送されなかった1話という体になってます。どれも雑誌連載ではなく単行本オリジナル、なおかつ1巻ごとに話は完結するというものです。 ……がっ!!第一弾を刊行したところで出版社が倒産してしまい、そこで打ち切られてしまいました。平井和正全集も同じく途中で打ち切り。 何でも調子に乗ってエイトマンの新作実写映画を作り、東京ドーム借り切ってイベントやったのに全然客が来ず、バブル崩壊もあって会社ごと潰れちゃったという…。 原稿料も作者ごとに払われたり払われなかったり半分だけしかもらってなかったりと散々だったとか。
エースの1巻だけは原稿自体は完成していたらしく、なぜか99年に双葉社から刊行されましたが、レオ・ザ☆・80は完全に世に出ず、予告ページに載っていたサブタイトル以外は一切不明のままです。ザ☆と80の漫画なんて貴重なので、読んでみたいんですが…80の「笑顔の侵略者」ってタイトル滅茶苦茶内容気になる…。 また初代マンの2巻に関しては下書きまでは出来上がっていたようで、00年代の「ウルトラマンAge」という雑誌で連載を開始したのですが未完のまま廃刊…もうなにかの祟りか?
そんなわけで世に出たのは初代〜タロウの5作品の各1巻だけです。 初代はTVシリーズ初期のウルトラQの雰囲気引きずってる怪奇ものっぽいノリで、マンの叫び声が「シュワッチ」とかではなくウルトラ文字っぽい謎文字で書かれています。 エースは南夕子がいる時期の設定で、ヤプールが起こす怪事件がテーマです。 タロウはTVのメモールの回の焼き直しみたいな話で、評価は低いようです。 そんな中特筆すべきは帰りマン。唯一原作番組の裏を描くという内容です。ベムスターに食われたステーション隊員の四十九日が過ぎたころ、加藤隊長はステーションへの転任を考え、元上官の伊吹に後任を頼みに行くのだが、そんな時本家ベムスターから更にパワーアップした新怪獣「ベムスターガンマ」が現れ…という、どういった経緯で隊長は交代したのかを描くというものでした。 なお原作番組の防衛軍には軍階級(大尉とか少佐とか)が出てこないので呼び方に困ったのか、加藤は伊吹を終始「上官」とだけ呼んでいます。
こういった実に興味深いものだったのに、刊行打ち切りどころか復刊なども内容で、もはや歴史から忘れ去られた存在になってます。 ああ勿体ない…。
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No.641 2025/12/18(Thu) 20:19:50
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