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オッス!毎月20日の担当、法倫房リトルボギーだ!! 何?態度が悪い?まあそう固いことを云うな(お約束)。
今日話題にするのは先日地裁判決が起きたふざけた裁判についてだ。 以前にも触れたことがあるが、大阪拘置所に収監されている二名の死刑囚どもが死刑執行の当日告知を違憲として当日告知の禁止と、損害賠償を求めて提訴していたというものだ。
前に口を極めて罵ったから簡単に述べておくが、死刑判決が下されるほどの酷い殺人をしておいて、自分が命を奪われることに不平を云い、注文や云いがかりを突けることに呆れかえる他ない。
当然と云おうか、必然と云おうか、死刑囚側の訴えは地裁にて全面的に退けられた。ただ、死刑囚側は既に控訴しており、控訴審となると昨今死刑に関して糞甘判決を連発している大阪高裁が審議することに一抹の不安がある。 死刑囚サイドの身勝手な云い分を見れば、十中八九控訴棄却されると見ているが、何せ、死刑を巡る法曹界のフィーリングは一般社会とかなり乖離しているんでな。
それより腹立たしいのが、判決を批判した死刑囚の弁護人が、「死刑執行そのものに反対している訳では無い。」と抜かしていることだ。 確かにこの裁判ではあくまで当日告知を違憲と訴えたものではある。ただ、この弁護士、別件で絞首刑を憲法違反とする裁判も起こしており、あの手この手で死刑制度を絡めてから封じようとしている。 Youtubeで見た討論で、別の弁護士から、「じゃあ、絞首刑じゃない死刑なら受け入れるのか?」という質問には言葉を濁して結局是とも非とも答えなかった。 まあ、どういう確度で見ても死刑廃止論者だろう。
勿論死刑廃止論を持つことは個人の自由だし、弁護士である以上、担当裁判で死刑を避ける為の尽力は責務であることを俺も過去作で認めているので、死刑を阻止する為に複数の裁判を起こしていることを苦々しく思いつつも、それを辞めろという事は出来ない。 ただ、気に食わないという事は俺自身の言論の自由として述べさせてもらう。
同時に訴えを起こしている死刑囚の名前が出ていないのも気に食わない。恐らくは死刑囚の名前が出ることで死刑を課される元となった罪状との比較から訴えが批判され易くなるのを防ごうとの云い分だと思われるが、憲法違反を訴えるぐらいなら、自分達の方が完全に法的に正しいと主張している訳だから、堂々と名前を出せと云いたくはなる。
最後に懸念しているのは、こういう訴えの連発が原告となっている死刑囚のみならず、他の死刑囚に対する死刑執行への歯止めとなっていないかという問題である。 勿論死刑廃止派は(口に出さずとも)それも狙いだろうし、法務大臣や法務官僚は例えこれらの裁判で死刑執行命令が出し辛くなっていても、それを認めはしないだろう(正確には得意の「答えを差し控える。」でかわすだろう)。
死刑を巡る議論自体は大いに行って良いだろうし、原告サイドの云う「死刑のブラックボックス状態」への批判は俺も思うところはある。 ただ、結局それによって「半年以内の執行」が全く守られず、無駄な時間の経過が余計な劣情を生み続けていることは問題視して欲しいものである。
ではまた来月。
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No.289 2024/04/25(Thu) 22:22:18
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