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オッス!毎月20日の担当、法倫房リトルボギーだ!! 何?態度が悪い?まあそう固いことを云うな(お約束)。
相変わらず死刑問題を初め刑法や倫理について色々考えながら生きているが、昨今頭に来ていることが二つある。 一つは袴田事件で検察が事ここに至って尚死刑を求刑したことだ。これについては語れば長くなるので、いずれ裁判の経過を見つつ、意見をこの雑文に書きたいと思うので、今回は再度の死刑求刑に腹を立てていることだけ述べておく。
もう一つは、検察による不起訴についてだ。 不起訴の判断自体を批判するつもりは無い。対象となった人物が無実であればそもそも逮捕自体がその人物の名誉を大きく損ないかねない。嫌疑なしであったり、嫌疑不十分であったり、「有罪とする証拠が集まらなかった」であったりした場合は不起訴も止むを得ないだろう。 また、事件には被害者がいるので、事件内容や示談次第ではそれ以上大事にしない為に起訴猶予も大切な選択肢であろう。
ただ、気になるのは昨今、検察が不起訴とした理由を明かさないことが激増していることだ。 一応、独断と偏見を少しでも避けるために不起訴について法の素人なりに調べはした。そもそも検察に不起訴理由を明らかにしなければならない義務がある訳では無いことも知った。 ただ、それでも理由を明かさないケースの激増には司法関係者の隠蔽体質を疑ってしまう。
殊に殺人・重度の障害・CENSOREDなどの凶悪犯罪を疑われた者が不起訴となった場合は、「凶悪犯が何の罰も受けずに世に放たれた………。」との危惧を周囲は抱きかねない。 勿論被疑者が無実ならそんな危惧を抱かれることが不当である。それ故、被疑者が充分な反省をし、被害が者それを許したことでの不起訴なら示談成立をはっきり示した方が世のため、人のためという気がする。 まあ、この場合も「示談に応じた被害者がバッシングを受けるのを防ぐため。」という理由で不起訴理由を開示しないこともあるらしいから、難しいのだが。
また、警察・検察が被疑者を有罪とする充分な証拠が集まらなくての不起訴で、それを明かさないのであれば、「面子のために黙っているのか?」と思いかねない。 何でもかんでも理由を明らかにしろ、というつもりは無いが沈黙が多過ぎては組織としての信用を失うことは余の常であることを司法関係者・警察・検察関係者には自覚して欲しい。
一例だけ挙げるが、先日イギリスから日本に覚せい剤16キロを持ち込もうとしたナイジェリア人が不起訴となり、その理由が明かされなかった。 16キロもの麻薬が運び込まれると云う大罪が裁き掛けないことを決められたことには大きく首を傾げざるを得ないし、不起訴理由がはっきりしないまま、もしそのナイジェリア人が目の前にいたら警戒心を抱くな、と云うのは正直俺には無理だと思う。 勿論、これは嫌疑を掛けられたのが日本人であっても同様の処置が取られ、同様に遇しなければいけない訳だが、ネット上ではやはり外国人嫌いどもが「外国人故の忖度があったのでは?」と下衆の勘繰りを並べている。
正直、警察を初めとする公務員の犯罪(特に性犯罪)にも不起訴が多いので、俺自身、「権力者の圧力が働いて、忖度されたのか?」などと漫画やドラマみたいなことを思ってしまうときがある。 勿論忖度も圧力も、掛けた側もかけられた側もそれを公表したり、存在を認めたりする訳ないし、存在しないのに周囲が思い込むこともあるから本当に難しい。
すべてを公表するのも考え物だろうけれど、「明らかにしない。」が多ければ多い程、痛くもない腹を探られることを警察と検察には自覚して欲しいものである。
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No.306 2024/05/28(Tue) 09:29:00
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